タロットの予備知識

タロットに関する色々な解説のページです。
できるだけ正確に、と考えておりますが、正確なところがほとんど分っていないのがこの分野の実情です。複数の説がある場合は、知っている限り併記しますし、事実として証明されていないと思われる説には「?」を明記するつもりです。
間違いなどは、ご指摘ください。
なお、アルファベットの綴りや読み方の表記は、主に英語を使用しております。
1.一般的なTarotの構成
2.Tarotの起源
3.「Tarot」の名前の由来
mail to にゃおやしき
1.一般的なTarotの構成
Tarotは、14世紀頃にイタリア北部あたりで現在のような形にまとまった、というのが現在では有力な説だそうです。現在も、その構成が一般的です。
ここでは、その構成を「標準的なもの」としてご紹介します。

全体
1組のTarotデッキは、78枚のカードで構成されています。
78枚は、さらに大きく2つに分かれています。22枚の大(メジャー)アルカナと56枚の小(マイナー)アルカナです。
ただし、中には、大アルカナだけのデッキもあります。

大(メジャー)アルカナ
大アルカナは、0から21までの通し番号が付けられ、各々に象徴的な絵が描かれています。また、番号の他に名前も付けられています。
大間違いの訂正:この項、間違っています。一般的に大アルカナに「0」が用いられるようになったのは、18世紀以降と思われます。それまでは、「愚者」は番号が付かないのが普通でした。
例外的に大アルカナ全部にアラビア数字を用いていたタロットでは、0も使われていたようですが、ごく稀だと考えられます。

小(マイナー)アルカナ
小アルカナは、4つの組(suit、スート、スーツ)に分れています。各組は、「聖杯(cup、カップ)」「剣(sword、ソード」、「金貨(coin、コイン)」、「棒(wand、ワンド)」の象徴が付けられています。
各組は1から10までのの数札と4枚の宮廷(court 、コート)カードから構成されています。

数札
数札には、各象徴が表す数字の個数分描かれています。「聖杯の5」ならば聖杯の絵が5つ、という具合です。
Tarotデッキによっては、数札に「意味を象徴する絵」が描かれています。また、数札に名前を付けているデッキもあります。

宮廷(コート)カード
宮廷カードは、「王(king、キング)」「女王(Queen、クイーン)」「騎士(knight、ナイト)」「ページ(小姓、見習、給仕など)(page、ページ、ペイジ)」の4人の人物が描かれています。
大アルカナの例

「UNIVERSAL WAITE TAROT DECK」のII
名前は「THE HIGH PRIESTESS」、日本名は「女教皇」

「TAROT de PARIS」のII
名前は「THE VEIL」
このように、独自の名前を付けているデッキもある

小アルカナの数札の例

「TAROT DE MARSEILLE」の棒の5

「UNIVERSAL WAITE TAROT DECK」の棒の5

「The Rohlig-Tarot」の剣の2
「Peace」の名前が付けられている

小アルカナの宮廷カードの例

「TAROT DE MARSEILLE」の聖杯のページ

「The Aleister Crowley Thoto Tarot」の「Princess of Disks」
「金貨」が「Disk」に、「ページ」が「Princess(王女)」になっている
2.Tarotの起源
明確なことは、分っていません。私が本やインターネットで読んだ限りでは、次のような説があるようです。

(1)遊具説
 14世紀頃のフランスやイタリアでは、ゲームカードとして使用されていたのは事実なようです。ひょっとしたら、現在の「トレーディングカード」みたいなものだったのかもしれませんね。
 この説では、大アルカナは「切り札」として使われていた、とされています。

 今のトランプ(英語ではPlaying Card)の祖先がTarotであることは確かなようですから、より簡略化され、進化した形がトランプなのかもしれません。

 逆に、現在のトランプが原型に戻っただけ、という説もあります。最初は数札だけでゲームをしていて、後に宮廷カードや切り札(大アルカナ)が追加された、というものです。

(2)奥義書説
 Tarotは、カトリック教会から「悪魔の発明品」として弾圧されたそうです。遊戯・賭博に使われていたことや「法皇」「悪魔」などが描かれていたこと、「占い」がカトリックでは禁止されていることなどが原因なのでしょう。
 しかし、この説では、絵の中に異教の奥義を織り込んだ「奥義書(秘儀書)」であったからだ、と考えているようです。一目では解らないような形にして、後世に奥義を残し、広めるためのものであった、と。

 この説を唱えているのは、一つの宗教や宗派だけではありません。私が知っているだけでも、以下のようなものがあります。 (3)中国起源説
 「中国四千年の歴史」だからなんでしょうか?
 実際、中国には易や風水などの伝統があり、札を使った占いや遊具も存在していたでしょう。Tarotの成立に、中国から欧州に伝えられた文化が影響した可能性はあるでしょうが、「起源」とするのは、難しいようです。

(4)インド起源説
 インドにも、札を使った占いが現在も伝わっています。円形カードで、ヒンドゥー教の神様の物語を描いたものなどがあるそうです。
 「0」を発見したのが、インドの数学者であることや、マハラジャなどの富裕層がいたことから高い文化が発達していたことから、欧州に文化的影響があったことは確かでしょう。

(5)エジプト起源説
 ロマの人々が「ジプシー」と呼ばれたのは、彼らがエジプトから来たと信じられていたからだそうです。彼らは占いを生計手段の一つとしていました。当然、Tarotも使っていたでしょう。
 このことから、「Tarotは、ジプシーがエジプトから持ちこんで広めた魔術書だ」という説が信じられやすかったようです。

 実際には、Tarotでは「数字」に重要な意味があることから、ユダヤ教の「カバラ」や「数秘術」と関連付けられ、ユダヤのモーゼがエジプト出身であることから、エジプトの知識の神である「トート神」と結び付けられたようです。
3.「Tarot」の名前の由来
明確なことは、分っていません。説は、色々あるようです。「Tarot」はフランスでの名前で、イタリアでは「Tarocco(複数形Tarocchi)です。他にも、Taroc、Tarokなどあるとか。
なお、「タロット」は日本読みです。英語でも「タロウ」のように発音するそうです。