カード大好き!:過去記事
週1連載で、1枚のカードへの思いを語るコーナーです。 様々なタロットデッキから、毎回1枚を選んで掲載しています。 左の画像は、「Rider Tarot」の「THE FOOL」。最愛の1枚。 |
「Rider Tarot」の「PAGE of CUPS」 タロット占いの際に質問j者の象徴カードを選ぶことがあります。選び方も様々です。 ・好きなカードを選ぶ ・「愚者」を選ぶ ・生年月日から計算した数の大アルカナを選ぶ ・年齢や性別、星座に基いてコートカードを選ぶ 私は、しばらくの間このカードを自分の象徴カードに使っていました。水の星座の生まれですし、夢想家ということで。 このカードの若者は、聖杯を胸の位置までしか持ち上げていません。杯からは、魚が顔をだしていますね。 杯の中に魚が棲めるでしょうか? 私は住んでいると思うんです。杯の中には若者の心の海が広がっていて、そこに住む魚と彼は対話しているのです。 若者の背後には、本物の海が広がっています。いつか、杯の中の魚も背後の海に飛び込むのでしょうか? しかし、今の彼の関心は杯の中の海だけのようです。 |
「運命が見えるタロット占い」の「THE FOOL」 画像があまり鮮明に撮れませんでした(涙)。実際は、もっと美しいカードです。 空を泳ぐ魚というと、私は2つの少女マンガを思い出します。「月の子(清水玲子)」と「SO WHAT?(わかつきめぐみ)」(ともに白泉社刊)。宇宙を泳ぐ魚 (人魚)と異空間を泳ぐ魚(肉食:笑)です。人の目には知覚できないけれど、存在するもの、というイメージですか。 「0」である「愚者」に幼子を描くデッキは他にもあります。「子供」=「無限の可能性」+「無垢なる存在」ということなんでしょう。けれど、自分の子供の頃を思い出してみると、少なくとも「無垢」ではなかったように思います。 このカードに描かれている子供は本当に楽しそうです。水は全ての生命の源でもあります。子供は無知であるが故に自由です。そして、人は年を重ねることによって、幼子に帰って行きます。 |
「Tarot for Cats」の「STRENGTH」 猫と犬(大型犬のシェパード!)が仲良くじゃれていますね。私の記憶の中にも同じような光景があります。 祖父が犬好きで大きな秋田犬を飼っていました。その家で生まれ育った黒きじの雌猫は彼と仲良しだったんです。日当たりの良い縁側で寄り添って昼寝していた姿が目に浮かびます。 このカードは「Strength」であって「Power」ではありません。本当の「強さ」とは、「腕力」や「武力」ではないこと、違いを越えた「融和」であることを、このカードは語っていると思うのです。 |
「Camoin Tarot」の「(XIII)」 このカードに名前がないのは「言葉に出して呼び出してはならないほど恐ろしい存在だから」と付属の解説書にあります。私はそうは思いません。「適当な名前」がないからじゃないかと。 このカードは一般的に「死」と呼ばれます。でも「死」というと、決定的な終わりで救いがないイメージを感じるのです。そのためでしょうか、「再生(REBIRTH)」など別名を付けているデッキも多いんです。 このカードに描かれている「死神」は目が見えていません。だから、彼の前では全てが平等です。金持ちも権力者も貧乏人も、同様に鎌で刈り取られます。彼にとって、土も人も同じなのでしょう。 足元の黒い土は物質としての肉体を意味するそうですが、豊穣な土の色でもあります。 このカードが示すのは、「何か」の終わりです。何かが終っても、それまでに得たものがあるはず。それを糧(土壌)として、新しい段階に進めることも、同時に示しているのです。土に還れない人は、前段階の終わりを受け入れられず、次に進めないために苦しんでいるのでしょう。 知人が勤め先を解雇されたと聞いた時、頭に浮かんだのがこのカードでした。その会社での彼の役割は終ったのでしょう。しかし、そこで得た経験や知識が新たな段階へと導くのでは、と思いました。彼の苦しみは、私などの想像を越えたものだったと思いますが、今、新たな道で頑張っておられます。 このカードと対になるのが、「V 女帝」です。妊娠した女性を描いたカードですね。「誕生」と「死」が裏表であるということでしょう。 |
「CELTIC TAROTS」の「X DIAN CECHT」 カードのタイトルは、ケルト語からとったと思われます。英語のタイトルは「THE HIEROPHANT」。一般的には、「法皇」を描いたとされるカードですね。 マルセーユ版やウェイト版とは大きな違いがあります。中央の人物は老人ではなく、玉座に座ってもいません。マルセーユ版では、法皇に拝謁する人物が描かれていますが、このカードでは、裸体の子供達です。彼らが中央の男性を拝んでいる様子には見えません。 私はケルト文化を知らないので、この絵が何かの儀式を指している可能性を否定できません。しかし、私には、このカードから「世俗的権威」の姿が読み取れないのです。 3人の子供も、中央の司祭らしき男性も同じ水の中にいます。身を清めるための沐浴でしょうか?子供たちは水遊びをしているようにも見えます。この画像からは見づらいでしょうが、中央の子供は女の子です。 ケルトを主題としている以上、カトリックの法皇が登場しないのは当然です。しかし、私はこのカードが、信仰がもっと大らかで純粋だった頃を描いていると思えてならないのです。 |
「The World Spirit Tarot 」の「DEATH」 カードの画像が上手くとれていません。実物は、もっと鮮やかな色彩で、大変力強いイメージです。 「DEATH」の名前で、これほど明確に「再生」を描いたカードも珍しいと思います。画像では見難いですが、右下に鎌を持った死神もいます。 積み上げられた薪の上で焼かれる遺体の炎からは火の鳥が舞い上がり、魂の不滅性と再生を示しているのでしょう。 対照的に、絵の下部にうずくまる人々は、死者を弔っているのではなく、再生できない「死者の群れ」だと思います。 火の鳥の上に見えるのは月です。月の光が魂を黄泉の国へと導くことの暗示かもしれません。 |
「The Rohrig-Tarot 」の「The Magus」 「Rohrig」の「o」はウムラウトが付きます。カタカナで書くと「レーリッヒ」。作者の名前です。 カードには、惑星記号とルーン文字が描かれています。頭上に輝くのは超新星でしょうか?眉に翼のような装飾が描かれています。 カードの下半分に見えているのはノートの1ページで、メビウスの輪や人の身体や文が書きこまれています。 このデッキ、大変魅力的で、見つけると手に取ってしまうのですが、使いこなす自信が全くありません。トートタロットの影響が強いことからも、上級者向けだと思います。 この「魔術師」の顔、自信に溢れ、気取って、こちらを嘲笑っているように見えませんか?「私は何でも知ってるんだよ。」などと思っていそうです。 実のところ、彼は何を、どこまで知っているのでしょうか? |
「Rider Tarot 」の「Pentacles 10」 このカードは、ある意味、私の憧れです。 「pentacle」という単語を辞書で引くと「5線星形、星形{ほしがた}」とのこと。「金貨」じゃないんですね。 一般的なデッキでは、「coin」として知られるスーツです。 このスーツの意味は「地」です。 このスーツは「お金」を表すから、とビジネス関連と取られることが多いようですが、私はむしろ「生活」と捉えています。 そして、10は「最終形」「完結」を意味します。 このカードに描かれているのは裕福そうな家族です。若い夫婦の傍には子供の姿も見えます。老人は静かに家族を見守り、良く手入れされた飼い犬たちは主を慕っているようです。 生活の糧を得るための手段として、お金は必要です。 「手段」と「目的」を間違えていませんか? |
「The Rohlig-Tarot 」の「SWORDS 2 Peace」 「剣」のカードは、私にとって謎です。 「剣」が「風」を意味する点については、何となく納得できるのですが、何を象徴するのかが解らないのです。 「問題や困難という事柄が、ソードのスートの主たるテーマです。」と書かれているのを読みました。 「知性」を意味するとも、「気」だとも。 私自身は、この象徴をどう受け取るか、まだ決めかねています。 この「剣の2」のカードを見た時、私はアフガニスタンという国を思い出しました。 かつては、「緑豊かな楽園」と称された国です。 長い戦乱が国土を荒らし、燃料となる薪さえも入手困難となった国です。 2本の「剣」は何を意味しているのでしょうか。「交差」するのか、「釣り合う」のか。 いずれにせよ、バランスが崩れた時、豊かな大地は失われるのです。 |
「Hudes Tarot Deck」の「The Fool」 「愚者」というカードは、タロットを象徴するものだと考えています。 もっとも、何を意味する象徴なのかがよく分らないのですが。 ただ、それぞれのタロット作家が特に思いを込めるカードなのではないかと思います。 「愚者」のカードに蝶を描いているのを見たのは、私はこれが初めてでした。 「胡蝶の夢」という中国の説話(『荘子』)を思い出します。 しかし、それと結び付けてしまうのは、短絡的過ぎるかもしれません。 蝶は何を表しているのでしょう?「夢」「憧れ」「魂」「自分自身」「手に届かないもの」「手を伸ばせば届くもの」...。 青年はどう思っているのでしょうか? そして、彼の足元もまた、断崖絶壁なのでしょうか? |
「ねこ屋敷タロット館オリジナルタロットカード」の「The Moon」 猫があらぬ方を見つめているとき、そこに霊がいるという説を聞いたことがあります。 霊感のかけらもない私としては、何か彼らの気になるものがあるから、としか思えません。 昔、膝の上の猫が見つめる先に雨漏りを発見したことがありますし。 犬は飼い主に対して忠実だそうですが、それは集団を作って暮らす習性からだそうです。 単独で暮らす猫は、序列の必要がないのでしょう。 それでも、家族愛はあるのです。普段は仲良くしない我が家の飼い猫たちは、お互いがいないと不安になるようです。 月は黄泉の国への扉だという話があります。 月を見つめる猫の視線の先には、何がいるのでしょうか。 |
「the Fey tarot」の「XI Justice」 「正義」というものは、どうも分りません。絶対的に正しいものなどあるのでしょうか。 「善悪」の尺度は何なのか? 「正義」のカードは、本来性的な意味と象徴を持つそうです。 このカードには、それらは描き込まれていないようです。 また、時々目隠しをしたカードもあります。 真実は、生の眼で捉えることはできないのかもしれません。 このカードに描かれた妖精の両眼には瞳が無く、額には第3の眼が描かれています。 光ながら漂う羽根は、私たちの目には見えない物質なのでしょうか。 |
「Rider Tarot」の「I The Magician」 カードは、見る人の心によって意味を変える、それを実感するときがあります。 今、このカードは、私を不安にさせます。 テレビ画面の中で独善的な演説をする人々と重なって見えます。 マルセーユ系では、このカードに描かれているのが大道芸人か露天商であることが判ります。 しかし、ここでは、彼は立派な衣装を身にまとい、威厳ある態度を取り、天と地とを指差しています。 純潔の白百合と高貴な赤い薔薇が彼の周りを取り巻きます。 どんなに立派に見えようと、彼はただの魔術師なのです。 |
「the Sacred Circle tarot」の「0 The Green Man」 このカード、中央に全身緑色でツタをまとった男性がいます。 毎度のことながら画像が良くないです。 「愚者」をケルトの樹木神「Green Man」と関連付けたのは、誰が最初なのでしょうか? 「トートタロット」で有名なアレイスター・クロウリーの著書にも記述が見られます。 多くの土着の神々は、「正当な」宗教の名の元に、神の座を追われ、「妖精」や「邪神」へと変わっていきます。 私は、それを「堕ちる」と表現したくありません。 姿を変えても、彼らはその土地の人々の中に生き続けているのですから。 |
「Whimiscal Tarot」の「0 The Fool」 「オズの魔法使い」のカカシです。 物語を御存知ない方のために補足しますと、脳を持たないカカシは、自分を馬鹿だと思い、高名な魔法使いに脳をもらうために旅をします。 各カードに童話の場面を描いたこのデッキの中でも、秀逸な1枚だと思います。 実物の絵は、もう少し可愛らしいものです。 ボケて見えるのは、私の機材がしょぼいんです。 この「愚者」も蝶を追っています。 犬が今1つだと思ってしまうのは、私だけでしょうか? |
「Rider Tarot」の「CUP IV」 4という数字を、私は「安定」だと思っています。 「安定」は「停滞」でもあります。 椅子やテーブルは、普通四角ですよね。 円形や三角もありますが、日常使うものは四角くありませんか? 四角は落ち着きます。そして、動かない。 このカードを見る度に、「何が足りないの?」と思います。 「もっと先へ、もっと上へ」。 「向上心」と「満たされることのない飢餓」は紙一重の気がします。 |
「Rider Tarot」の「PAGE of SWORDS」 ウェイト版の宮廷カードで、4人いるページ中、彼だけが象徴を見ていません。 ちょっと不思議な気がします。 彼は何を見ているのでしょうか? 剣を構える相手、過去、未来、待ち人等々、その時々で色々に見えます。 強い風が吹いていますね。雲がすごい速さで流れていくようです。 足元は草原でしょうか?山の上のようにも思えるのですが。 遠くに見えるのは渡り鳥? とにかく、色々なものが見えるカードです。 |
「The World Spirit Tarot 」の「0 THE FOOL」 これは、とても珍しいカードだと思います。 「愚者」に女性を描いているカードはフェミニズム系や女神系以外、他にはあまりないはずです。 鳥たちは、屋根の上で踊っている女性に贈り物を届けているようです。 女性は、けっして細身の美女ではありません。 健康的で逞しささえ感じます。 その彼女の足元、屋根の上の犬は彼女が落ちるのを止めているのでしょうか? そして、もう1つ。 鳥の死骸らしきものが見えます。 本当に不思議な「愚者」です。 |
「IL TAROCCO DI AMERIGO FOLCHI 」の「0 THE FOOL」 かなり不気味な絵柄です。 私は、同じ作者のデッキを3つ持っているのですが、その中でもこれが最もシュールです。 シュールという単語を日本語にしようとすると難しいですね。 醜悪、醜魁、醜怪、色々考えたのですが、語感が合いません。 相変わらずですが、現物の画像はもっと美麗です。 余計怖いですけど。 この絵柄に込めた作者のメッセージは何なのでしょうか? |
「TAROT Sutra」の「KING OF CUPS」 ウェイト版の模倣タロットには、「模写タイプ」と「色彩変更タイプ」があります。 特に、コンピュータグラフィクス技術が手軽になった現在、元の絵の色彩だけを直したものは作成しやすいのではないでしょうか? このカードは、裏面がとても怪しい画像であることと、紙質が良くないのでお奨めできません。 しかし、色はとても気に入っています。 背景の色合いも良く考えられていると思います。 ある解説書に「ウェイトはもっと華やかなカードを求めていた」と書かれていました。 このカードだったらどういう感想を持ったでしょうか? |
「神秘のタロット占い(チエ・エリナ著)」の「0 THE FOOL」 花言葉と大アルカナを組み合わせたという、日本では珍しいタロットです(欧米にはいくつもあります)。 解説書を読まないで絵だけを見たところ、花を見つけて喜んでいるように見えたのですが、やはり、そうだそうです。 直球な絵です。 クレマチスという花だそうです。 私は花には疎いので、あまり感想がないです。 でも、旅人が道端にきれいな花を見つけた時の純粋な喜びを感じます。 犬はお供ですね、どう見ても。 花に喜ぶ旅人に比べ、犬は行く先を見つめているようです。 ちょっと、面白いです。 |
「CELTIC TAROTS」の「FANTE DI DENARI」 イタリア製のカードですが、独語、仏語、英語等の名前も上部に書かれています。 英語名が「KNAVE OF PENTACLES」です。 普通は「PAGE」ですよね。なぜ、「KNAVE」? 画像が大変見にくいですが、両手の間に透明な金貨が浮かんでいます。 このデッキは、スーツごとに描かれている部族が異なるようです。 金貨は、妖精族です。 彼は、身体中に飾りを身につけています。腕輪、指輪、ピアス、髪飾り、マントの留め金も立派です。 肌には一面に文様があります。 若い呪術士のように見えます。 普通、金貨は物質界を表すのだそうです。 透明な金貨は、物質ではないでしょう。 いわゆる「伝統に則った」絵ではありません。 ウェイト版を元にして、画家はどんな想像を働かせたのでしょうか? |
「B.O.T.A. TAROT」の「0 THE FOOL」 ウェイト版を元に、少し拡張し過ぎた部分を戻し、更にカバラ色(魔術色?)を強くした「魔術結社」のデッキです。 このカードがモノクロなのは、使用者が自分で色を塗るためです。 相変わらず、この画像では判り難いですが、ウェイト版よりも象徴の描き込みが細かいです。 たとえば、愚者の担いでいるカバン、ウェイト版では鷲のような模様がありますが、このカードでは、鷲の上に「眼」が1つ描かれています。 魔術のどうの、というのは良く分りませんが、ウェイト版よりもこちらの方が人の顔がキレイなんです。 象徴の違いなども、見比べてみると、大変興味深く、寝る間を忘れそうです。 |
「はじめてのタロット」の「0 THE FOOL」 子供向けの絵本のような絵柄ですが、象徴がいっぱい描きこまれたカードです。 少年(?)が崖から足を踏み出しているのはお馴染みですが、袋からは緑色の蛇が顔を出し、手に下げたカゴにはバイオリンらしきものが入っています。 少年の後方にはお城のような建物、ずっと向こうには塔の姿、崖の下には口を開けた巨大な魚、雲間からは太陽が見えます。 この画像からは分りませんが、左の上には星空が、塔の下には祈る人、右下には象がいます。 見ているだけでワクワクするようじゃありませんか? たくさんの物語が作れそうです。 このデッキ、カードよりも解説書の方が絵が大きくてキレイなんですよ。 カードは小さくて、占いに使うのには具合が良さそうなんですけど、絵を見るには、解説書の方が断然良いです。 |
「神秘のタロット占い(チエ・エリナ著)」の「XVIII THE MOON」 大アルカナの各カードに花を組み合わせたこのデッキ、「月」が「紫陽花」なんです。 私は紫陽花の花がとても好きなのですが、花の色が変化していく様子からか、花言葉は「心変わり」などの不誠実さを表すものばかり。 私の「花言葉嫌い」の発端でもあります。 月の中に女性の顔が浮かぶ絵柄は多いですね。 女性の顔が哀しげなことも多いのですが、私には、この絵の女性は「恨めしげ」に見えました。 自分がそういう気分なのでしょうか? このカードでは、ザリガニの視線の向こうにある山に2つの城があるというのが面白いと思います。 争い事の象徴なんでしょうね。 |
「キャッツ・ワ−ルド・タロット事典」の「13 DEATH」 私は、マンガタッチのタロットはあまり好きではありません。 そのため、このデッキにもあまり期待していませんでした。 そういう「期待」を裏切られるのは好きです。 地面には恐竜の骨が横たわり、その向こうにはマンモスやサーベルタイガー、猿人などの影があります。 夕暮れ時を思わせます。 宙に浮かぶ球体の中の子供は、産まれる前の胎児でしょうか? 楽しい夢を見ているようです。 球体の中には豊かな水と緑が見えます。 滅んだ恐竜を置いて、他の生き物たちは先へ、新たな世界へと進んでいくのでしょう。 失われたものを嘆くのは止め、苦しくとも先へ進むべきだと、この絵は語っているようです。 |
「タロット占い入門(アレクサンドリア木星王)」の「VI THE LOVERS」 このカード、私は「変」だと思うんですけど、他の方はどうでしょうか? 「恋人」のカードは、通常「寄りそう恋人達」の姿か「2人の間で迷う若者」の姿を描いています。 このカードは、寄りそう恋人同士に見えない気がします。 特に女性の表情。険しすぎませんか? 私には、この女性は隣の男性を嫌悪しているように見えるのです。 付属の解説書によると、この2人は魔術を扱うそうで、胸のペンダントはその印だそうです。 また、いくつかのカードについては、実在の人物をモデルにしたと明記しています。 このカードの人物についてもモデルがいるのかもしれません。 人物の顔が妙に写実的で、緊張しているように感じます。 独り者のひがみでしょうか? |
「Tarocchi di Leonardo」の「I BAGATTO」 私が知る限り、「魔術師」のカードは、ギリシャ神話のヘルメスを描いたという説と大道芸人を描いたという説の2通りがあります。 前者は、おそらくカバラやヘルメス主義の観点に基いているのだと思います。 このカードの青年は、ハンサムで体格も良く、まさに「美青年」。 左右は逆ですが、天と地を指差していることからも、ヘルメスをイメージしているのでしょう。 でも、手にしている杖が普通の棒なんですよね。 「Thoth Tarot」なんか、はっきりとヘルメスの杖なのに。 このカードを見る度に、「威張ってるなー」「格好付けすぎー」などと思うのですが、格好良いのも事実。 「美人は得だ」と言いますが、「美青年」も得だと思っちゃうんですよね。 しかし、「花の命は短くて」。永遠の若さを持つ神ならともかく、若さを失った後の「美しさ」が大切だと思うこの頃です。 |
「TAROCCHI MARVEL」の「0 IL MATTO」 このキャラクターが分る人はどれくらいいるでしょうか? 米国マーベル社のコミック「X-MEN」の「ウルヴァリン(ローガン)」です。 映画版では、ヒュー・ジャックマンが演じていました。 全然違います。ヒューはハンサムだし、こんなに筋肉質ではありません。 マスクもつけてないし。 どんな傷を負ってもすぐに治癒してしまう特殊能力のために軍に戦闘用の身体に改造されてしまったキャラクターらしいです。 記憶も操作され過去を失い、時には人としての理性も失うことがあるそうです。 ヒーローはヒーローでも知的でもスマートでもありません。 いかにも武骨で筋肉質でアメコミヒーローな彼が、笑顔で赤い花に見とれています。 青い空、緑の大地、赤い花、背後には森らしき影が見えます。 ちょっと笑顔が不気味な感じがしないでもないですが、よく見ると無邪気な気もします。 「愚者」らしい1枚だと思っています。 |
「THE SECRET TAROT」の「I THE MAGICIAON」 画像が悪い! 人物が立っている土台には、左側に杯、中央に剣と棒が交差し、右側に貨幣が浮き彫りになっています。 明かにヘルメスです。 両脇には2匹の蛇が巻きついた水星の星座記号の杖があります。 人物の足には、ヘルメスの靴を思わせる翼があります。 あれ?でも、何か変です。 赤い服の胸元には太陽が描かれています。 そして、胸が膨らんでいませんか? Tシャツとスカート姿の女性に見えませんか? 右手には銀色の球のようなものを下げています。 古来、日本では「巫女」は無性でした。 この「魔術師」は両性なのかもしれません。 両性は「完全」でもあります。 太陽はエネルギーの象徴で、赤も生命力を表すと言われます。 大地に立ち、天を自由に飛び、頭上に無限の印を頂く完全な存在。 それは、どこか寂しい気もするのです。 |
「Messaages from Your Angels」の「Teresa」 これは、タロットではありません。 悩んでいたり、迷っていたりしたときに、1枚引いてみると、そこにあなたへのメッセージが書かれている、というものらしいです。 このカードの「天使」は翼をたたみ、自分自身を抱きしめています。 メッセージは「Time-out! You've been so busy taking care of everyone else's needs,but now it's time to stop and take care of yourself.」 意味は、こんな感じでしょうか?「もういいのです。あなたは他の人にずいぶん尽くしてきました。今は少し休んで、自分自身のことを考えましょう。」 |
「The H.P.Lovecraft Tarot」の裏表紙 ホラー小説のアンソロジーで米国の作家ラブクラフトを知りました。 「ダンウィッチの怪」。 幸運な出会いでした。 20世紀の初頭、まだ科学と魔術が厳密には袂を別っていない頃、A.E.ウェイトとほぼ同時期の人です。 ラブクラフト自身は異教徒的なものを「邪悪」と捉えていたようなので、作品中にタロットが登場したとしてもロクな扱いは受けなかったでしょう。 その彼の作品を愛する人々が彼の作品に基いてタロットを創る。 妙な巡り合わせです。 ところで、この写真はラブクラフト本人です。 作品中のキャラクターではありません。念の為。 |
「AVALON TAROT」の「COPPE 1 「アバロン」とは、アーサー王伝説に登場する島の名前です。 アーサー王伝説は、聖杯伝説とも関連があるそうで、A.E.ウェイトがとても関心を持っていたそうです。 当時の黄金の夜明け団でも、ケルト神話とカバラというのがエジプトに替わるキーワードだったのでしょうか? 以前、テレビでテンプル騎士団が保管しているという聖杯(2つ)を放映していました。 石造りでした。少しこのカードの絵と似ていなくもないです。 人知れず水底に沈む杯の中には、さらに液体が入っているようです。 そっと伸ばされた手は、取り出そうというのでしょうか? 安置しにきたばかり? 杯の1というと、幸福や感情の源泉というイメージが多いと思います。 聖杯伝説を廻っては、多くの血が流れたそうです。 このカードに描かれたように人の目の届かない所にそっと置いておくべきなのかもしれません。 |
「「the Sacred Circle tarot」の「3 The Lady」 ケルト神話を取り入れたタロットです。 画像では見難いですが、絵の枠はストーンヘンジのような石です。 タロットの伝統にのっとり、懐妊した女性です。 でも、貝なんですよね。巻貝。なぜ? 赤いドレスは生命と豊穣を意味していると思います。 麦の穂や木の実や花も豊かな実りでしょう。でも、貝。 彼女の背後には太陽と月が見えます。 緑の大地に立つ彼女は女神なのでしょう。 でも、貝。なぜ、貝? |
「ANCIENT ENLIGHTENED TAROT」の「SWORDS 3」 ウェイト版を御存知の方ならば、見覚えのある絵柄でしょう。 作者たちが参考にしたのではないかと言われているタロットです。 私はこのタロットについて、2つの日本人の文章を読みました。 明かに2つの文章には相違点があり、自分で入手して確認してみることにしました。 イタリア製であることをすっかり忘れて。 解説書は英語でしたが、一般的なタロットの話しか書いていないようでした。 15世紀のイタリアにSOLA BUSCA家という名家があり、そこが所持していたタロットが原型だそうです。 確かに、一部ウェイト版と酷似したカードがあり、ウェイト版の2人の作者が参考にした可能性はあります。 でも、小アルカナでも似ていないカードも多いんです。 このカードの絵、木版画の彩色とは思えません。 元はモノクロで、復刻の際に新たに色づけしたとの説もうなづけます。 数字はアラビア数字が図中に描かれています。 赤い紐は、血管のようにも見えます。 タロットに関する話は、鵜呑みにしてはいけません。 私に、そう実感させてくれたカードです。 |
「Animal Cards」の「HAWK」 これは、タロットカードではありません。 ケルト・ルーン系の占いカードだろうということしか分りません。 海外のオンラインオークションに手を出して買ってしまいました。 外箱・説明書・一切無しです。カードの名前も分りません。 鷹の足元にはタンポポの花が見えます。 崖にはルーン文字らしき文様があります。 向こうの海岸に見えるのはノロシでしょうか? 購入したこと自体に後悔はしていません。 本当にキレイなイラストです。 しかし、知りたい、使ってみたい! 売ってくれた相手も知らないようなんで、欲求不満が溜まっています。 |
「Vikings Tarot」の「XIV Temperance」 ひび割れた大地の上に1人の男が血みどろの両手を見せて立っています。 彼の顔色から、死者であることが分かります。 足元には、わずかですが緑があり、小さな白い花が咲いているようです。 バイキングといえば、北欧神話やカレワラの世界です。 子供の頃に読んだ北欧神話の物語はギリシャ神話よりも私には好ましいものでした。 神々は最終戦争で滅んでしまうんですね。そして、人の時代が来る。 添付のブックレットによれば、彼の死は最終戦争の始まりとその後の新しい世界を暗示しているそうです。そうなのかな。 画像では判りにくいと思いますが、彼の顔は、とても穏やかで優しいのです。 両手の血は、己の手を汚さずに手に入れられるものなどないことを示しているように私には思えます。 それでも、なお、世界は美しい。足元の名も知れぬ白い花は、新世界の象徴なのでしょうか。 |
「The Rohrig-Tarot」の「0 The Fool」 なぜか、見かけると買ってしまうタロットがあります。 主にオンラインショップで購入するにようになってから、この悪癖がなくなり、助かっています。 このタロット、4つも持っています。 外箱がこの図柄です。 男女の顔の合成ということで、「アシュラ男爵!」と思った人は、私と同年輩でしょう。 2つのルーン文字、惑星記号とも男性を示す記号とも見える文字、そして、汚れにも見える緑の絵の具。 私は、道化師の姿をした愚者は好まないのですが、このカードだけは魅かれます。 「ウッフッフ」と笑ってますよね。 実占に使えるか、というと、私の手には負えません。でも、魅かれる。 声が聞こえる気がします。「ウフフフ」って。 |
「DANTE TAROT」の「Clouds 9」 ダンテの「神曲」をモチーフにしたデッキだそうです。 このスーツ「Clouds(雲)」は、「剣」に相当すると思います。 「神曲」ということは、地獄の光景ですよね。 遥か高いところに美しい森が見えますが、罪人たちは、砂漠のようなところで苦しんでいる、といったところでしょうか? 他宗教を貶めるような記述があると聞くので、「神曲」自体は読む気がしません。 でも、このデッキは好きなんです。 抽象化された絵が色彩豊かで、リズムがあって、残酷な描写すらユーモラスで。 ダンテ本人が見たら、怒るかもしれませんけどね。 |
「森永ハイクラウン(池田理代子版)」の「XIII DEATH」 有名イラストレーターやマンガ家のタロットは、形だけを真似たり、画家のイメージだけのものが多いです。 その中では驚きの1枚。 右側の砂時計もさることながら、左側の首がね。すごいと思いました。 顔色から、死者だと思います。でも、笑ってますね。 自分が死んだと解っていない気がします。 池田理代子さんは、かなりの勉強家だとお聞きします。 タロットについても、ご自分なりに勉強した上で描かれたように思います。 このデッキには、製作者の解説書は付属していません。 画家は、どのような思いでこの1枚を描いたのでしょうか? 大量に食べたチョコレートの記憶とともに、苦い1枚です。 |
「AQUARIAN TAROT」の「0 FOOL」 やっぱり、美男子です。何度見ても、そう思います。 20年くらい前に、誕生日プレゼントとして貰ったものです。 店先でねだりました。 立派な上着と帽子が「愚者」らしからぬ雰囲気です。 手には白バラ。担いでいる棒からは花が芽吹いています。 「愚者」としてどうかと言えば、疑問符が付くかもしれません。 でも、好きなんです。 |
「森永ハイクラウン(松下進版)」の「VI THE LOVERS」 このデッキで思い出すのは、このカードと「力」です。 パワフルなイメージがあります。 タロットの約束事はほぼ無視されています。 おそらく、聖書などに関係あるだろう、という描き手のイメージで、アダムとイブになったのでしょう。 かじられたリンゴ、背後のヘビはその象徴ですね。 ずいぶん前に呼んだ雑学の本に、聖書の作られた頃には、その地方にリンゴは存在しなかった、と書かれていました。 後に色々と「解釈」されて、改変されているそうです。 そんなことも思い出させる1枚です。 |
「黄金のタロット」の「I 魔法使いの旅」 このデッキ、水彩で描かれた絵は、決して美しいとは言えません。 けれど、一生懸命に解りやすさを心がけていると思います。 フランスのプロの占師の方が、自分たちの娘のために、友人と協力して作成したものだそうです。 占いに使う、というよりも、カードをめくりながら、子供と対話するためのものなのです。 タイトルも工夫されています。 基調はマルセーユ版です。 マルセーユ版は子供には怖いらしいんです。 ちょっと分る気がします。 |
「AURA-SOMA TAROT」の「B93 DER TEUFEL」 このデッキは、大アルカナが2組あります。これは、2組目の方の「悪魔」です。 悪魔って、本当はこのように美しい姿をしているはずだと思うんですけど。 「悪魔」は、人に知恵を与えたんですよね。 ギリシア神話で人に火を与えたプロメテウスのように。 極論すれば、今の人の社会は「悪魔」によって授けられたモノでしょう。 人は弱い者。その弱さを許容できてこそ、人間と呼べるのではないかと思います。 弱さを許さない神よりも、弱さを認め、補い合う「調和」が欲しいと、私は思うのです。 |
「TAROT OF THE V MILLENNIUM」の「0 IL MATTO」 かなり不気味な姿形の「愚者」です。 ボロを纏い、顔も醜くゆがんでいます。 足元の犬は、連れのようにも見えますが、脇を通る「愚者」を無視しているようにも見えます。 ライダー・ウェイト版では、「愚者」は「審判」と「世界」の間なんですね。 「世界」へ進めずに、落伍した者だという解釈もあります。 (このデッキは、マルセーユ系です) 画像では分りにくいですが、彼の目つきはあまり気持ちの良いものではありません。 彼はどこへ行こうというのでしょうか? |
「THE TAROT タロット占い(魔夜峰央 画)」の「IX 隠者」 あああ、画像が良くない...渋めの金色が汚くなり、シャープな線がぼやけています。 実物はもっと綺麗です。 中年くらいの男性が、小船の舳先に片方の足を組んで座り、蝋燭をかざしています。 屋内に見えるんですよね。 しかし、船は波しぶきを上げて、高速で進んでいるようです。 解説書によれば、「忍者」らしいんですが...駄洒落? 「伝統的には、錬金術師が賢者の石を探している姿を描く」と解説者は書いています。 この絵の人物は何を探しているのでしょうか? |
「TAROT(中井 勲 著)」の「I THE MAGICIAN」 一見マルセーユ系のタロットに見えます。 しかし、良く見てください。 彼のポーズ、右上の赤いバラ、左下の白い百合。 ライダー・ウェイト系なんです。 見た瞬間「マルセーユ顔のウェイト系!」と心の中で叫びました。 大アルカナは、マルセーユ系っぽく、小アルカナは絵札。 日本人の作ったタロットだなー、と思います。 マルセーユ版とライダー・ウェイト版の良いところを融合しようとし、できるだけ原点に合わせようと、しかし独自の解釈も含んでいます。 自己主張しないのに、勝手に意味は取っている。物真似でもない。 海外に原点を持ちながら、日本独自食となったカレーライス、ハヤシライス、オムライス、ラーメン、ギョウザ等々。 1972年発行の真面目な日本のタロットです。 |
「INNER CHILD CARDS(A Fairy-Tale Tarot)」の「0 Little Red Cap」 タロットには、絵が上手いとは言えないものがあります。 絵に味はあるのですが、上手いとは言い難い。 童話をモチーフにしたこのタロットは、童話を知らないと使えないでしょう。 「赤ずきん」です、これ。 右手の指先にいるのは、蝶です。 お伽話って、結構深淵な気がします。 「本当は怖い」ではなく。 赤い帽子の女の子は、何処へ行くのでしょうね? |
「CELTIC TAROTS」の「COPPE 7」 小アルカナだけはライダー・ウェイト系のタロットで、小アルカナはイタリアのマンガ家さんが描いています。大アルカナとは画家が違うんです。劇画タッチというか洋物コミックタッチというか。 ライダー・ウェイト版の杯の7が好きなんです。7つの杯の中から様々な幻想が現れる。 このカードでは、妖精、貨幣、剣、女性の裸体、カタツムリ、目玉、女性(?)の頭部が出てきています。 目玉とカタツムリがね...何なのでしょう? 自分なら何を出しましょうかね? とりあえず、恨めし気な女性の頭部はないかな。 |
「The Aleister Crowley Thoth Tarot」の「I The Magician」 このカードを見て、「ウソ!」と思った人もいるかも。 一般的に78枚構成の「トート・タロット」では、「I」は「The Magus」です。 しかも、このカードではありません。 80枚構成のものもあるんですよ。 偶然購入したものがこれ。 「I」だけ3枚もあり、この1枚だけ「The Magician」。 クロウリーの東洋趣味とエジプト趣味が出ていると思います。 彼もヘルメス学の信奉者だったのでしょうか?(不勉強な私)。 3枚とも猿神が登場しますし、画面構成はほぼ同じ。 習作だったのでしょうか? クロウリー本人はカードの出版を望まなかったそうですし。 このカードだけ、少しイメージが違う気がして好きなんです。 左側の上、麦の穂かと思ったら、炎のようです。 実りの象徴かと思ったのに。 ちょっと残念。 |
「Grand Tarot Belline」の「0 Le Crocodile」 大変お気に入りなんですが、高価過ぎて2個目を購入するのに躊躇しているデッキです。 なんと、縁が金塗りなんです... Bellineは、有名な占い師で、彼が作成したデッキの復刻版ということです。 手描き風の絵に何とも味を感じてしまうのは私だけでしょうか? でも、なぜ、ワニなんでしょうね? 個人的には、イメージを限定してしまうのでカードに意味を書き込むのは好きではありません。 このデッキの場合、どうせ読めないので関係ないですけどね。 で、なぜ、ワニ?他にワニを描いたデッキは見た覚えがないです。うーん... |
「CELTIC TAROTS」の「0 FINTAN MAC BOCHRA」 タイトルは「波の丘の上のFintan」という意味のようです。 ケルトの物語の1つなのでしょうか? 左手には竪琴、左腰に剣らしきものを下げ、芽を吹いている杖を右肩にかけています。 解説書によると「永遠の命を得た」ようなんですが、はて? 少なくとも、幸福そうではありません。 何かを求めるように差し上げられた右手は、神への祈りでしょうか?感謝?救いの求め? 様々な物語を思い起こさせる1枚です。 |
「Aleister Crowley Thoth Tarot」の「0 The Fool」 どう見ても、緑の「鬼」に見える1枚。 今改めて見たところ、左下はワニですね。カメレオンかと思っていました。 左手に炎、右手には聖杯、金貨らしきものも見えますし、蝶、ヘルメスの杖、白い鳩、蘭のような花、虎、と象徴てんこ盛り状態です。 緑色は、ケルトのグリーンマン(当初は森や樹木の神であり、後に精霊・妖精と化した)の意味も含まれているようです。 彼のこのポーズは、「生命の樹」でしょうか。 性器の部分に太陽か星のような印がありますが、カバラでは「イエソド」がここにあたります。 イエソドは表面的な自我を示すセフィラでもあります。 クロウリーは性魔術を用いたと言いますが、この絵にも性的象徴は多いようです。 大人しい時代だったんですね... |