映画の話  2002年冬〜2003年春

 固めて見るようになってます。見ない時は、全く見ない。ビデオ屋にも、行ってないなぁ。

ハリー・ポッターと秘密の部屋(吹替え版):映像は相変わらず綺麗、話も上手く出来ていると思います。でも、私はダメですね。勧善懲悪が合わない。まあ、今回は、ラストが大変気に入らなかったので、評価が辛くなっているということもありますが。原作も、あのラストが付いているのかなー。

マイノリティ・リポート:スピルバーグという監督さんは、本当は社会派の映画を撮りたいんじゃなかろうか?と考えた1品。気の回しすぎかな?しかし、あらゆる場所で監視カメラが作動し、それを合法とするのが今の風潮だからね。生態認証の描写は雑過ぎ。

ブラッドワーク:
クリント・イーストウッドは甘すぎ。なぜ、ラブロマンスを入れるかな?ただのミステリー物と化してはいますが、扱っているテーマは重いはず。それとも、臓器移植(裏)ビジネスは既に当たり前のことなわけ?

ジョンQ:
デンゼル・ワシントンは、こういう役だと本当にはまる。最後の裁判まできっちりと見せたところ、ちゃんと有罪にしたところが好きです。ブラッドワークと前後して見たせいか、目に染みます。改心する女理事長がちょっと甘すぎますけどね。ロザリオがなんか目に付いたなぁ。

チェンジングレーン:
もっとぶち切れるのかと思ったけど、ほどほど。やはり、サミュエル・L・ジャクソンが良いです。ベン・アフレックもこういう役だと活きると思います。ヤッピーの厭らしさが良く出てる。最後のシーン、サミュエルの目とか顔の表情とか、最高!

K-19 The widowmaker:リーアム・ニーソンが儲け役。ハリソン・フォードも頑張ってるんだけどね。ひたすら頑固で冷徹な将校にしか見えない。本当は、父親が収容所で亡くなった後の悲惨さや、そこから這い上がった意志の強さと弱さがにじみ出るくらいの影が要ると思うんですけど。再会のシーンと演説は要らないと思った。乗組員たちのその後の事実を流すだけでいい。

8人の女たち:カトリーヌ・ドヌーブが貫禄の1品。年増好きなら、絶対に見るべき。つまり、堪能。8人の女から寄って集って殺される男、ではなく、8人の女性は皆、男たちに振り回されている。同性愛の女性も含めて、ね。当初、誰も男の死を悲しんでいないので、違和感があったし、そのためにかなり早い時点でネタバレする。元々が劇場芝居なんだと思うけど、そのまま映画にするのは、ちょっとね。

たそがれ清兵衛:宮沢りえという女優さんを見直しました。苦労が肥やしになってる人。どこにでも出る大杉漣殺陣は、あれが普通なの!今の時代劇の殺陣がひどいの!少なくとも、今の勤め人の人が自分と重ね合わせてどうこうという話ではないと思う。嫌なら辞めたらイイじゃん。勤めを辞めるんじゃなくて、会社の中でだけの物差しで生きるのを辞めればいい。自分に誠実であろうとした人の話だと思う。真田広之、良い原作と脚本と演出と監督に出会えれば、良い演技のできる人だと思う。良い意味での役者バカに徹してください。

T.R.Y.:織田裕二ファンとしては見逃せない1品。実際、エンターテイメント映画としては大変面白いです。前作よりも良いよん♪原作が良いのでしょうね。読むかどうか、書店で迷ってしまいました。夏八木勲渡辺謙孫暢敏ピーター・ホー。特に、ピーター・ホーが美形!


アカルイミライ:やっぱり、あの美人はりょうさんだよね、と思ってしまった自分が情けない。ある意味、T.R.Y.とは正反対の作品でしょう。織田裕二氏は常々「自分が見たいエンターテイメント映画がないから作ろうと思った」という趣旨の発言をしていますが、日本で言うところの「評論家受けする」「文学的」で「高尚」な作品なのだと思います。嫌いじゃないですけどね。特にクラゲ。ちなみに、オダギリジョーを見なおしました。最近、テレビドラマを見てないので、バラエティでの顔しか知らなかったもので。

イナフ:私は家庭内暴力を知りません。だからですかね、大変後味の悪い作品。ジェニファー・ロペスは文句無く良かった。良かったんだけどね。この作品に喝采する人がいる社会、この作品をスター女優主演で作る社会。「You're lucky one.」という警官の言葉が重い。

ロード・オブ・ザ・リング−二つの塔:はるか昔、原作を読んだことがあるのですが、「二つの塔」を勘違いしていました。でも、変。ガンダルフの「白」の意味が説明されていない。あれ?戦闘シーンで、洞窟の中で震える女性や子供達の姿、戦士でもない少年達までもが剣を取らなくてはならない姿に現在の現実を重ね合わせてしまいました。

ダイ・アナザー・デイ:007シリーズは、俳優に合わせてボンドの個性を変えたことが成功の理由、と記事で読んだ。納得する。ショーン・コネリーのカリスマ的ですらある色気とタフさが最も好みではあるが、ピアース・ブロズナンの繊細で人間的な弱さのあるボンドも充分魅力的だ。

リロ&スティッチ(吹替え版):泣きました。ディズニーらしいオーソドックスな作りなので、結末はある程度予測できるんだけど、ちゃんと泣く。ところで、コブラ・バブルスというのは、何かのキャラなの?山寺宏一。え?すごいわ。

レッドドラゴン:実は、前作をビデオで見ている。充分面白かった。だから、見るのを迷ったし、見ていても比較してしまう。アンアソニー・ホプキンスは、やはりすごい。エドワード・ノートンは、今回は脚本の問題で前作の役者さんに軍配を上げたい。ラストが前回と違っていたような...まあ、「原案」扱いになってたもんなぁ。全体的に見て、少し今作が上。犯人役の勝利。

レッド・ドラゴン レクター博士の沈黙(ビデオ):旧作をビデオで見なおした。原題は「MANHUNTER」。完全に主人子のFBI捜査官に焦点を絞っている。そのため、犯人描写を思い切って削ってあり、「赤い竜」との関係も見えない。それでも、1作品としては充分まとまっている。確かに、上下2巻の長編を2時間で納めるのは無理がある。こういう思い切り方もありだと思う。

タキシード:ある意味、スパイ映画のパロディ。平凡で冴えない男も、ハイテクを駆使したタキシードを着れば、凄腕のスパイになれる!ジャッキー・チェンの英語が上手くないことが、全体を通しての鍵となっている。少し複雑な気分である。

ピンポン(ビデオ):窪塚洋介のやんちゃ度全開。中村獅童を見たかったので観ました。良かったです。持つ者と持たざる者、嫉妬と崇拝。ヒーローやるのも大変だ。

ジェヴォーダンの獣(ビデオ):フランス映画って、日本文化の影響が強い、と思う。最近のリュック・ベッソン映画が「日本の劇画」だと思っていたのだが、この映画もかなりのもの。特に最後のクライマックスで主人公と敵役が戦うシーンは、格闘ゲームそのもの。手の中にコントローラーがあるような錯覚を覚えた。ただ、映画自体は、人の驕りと醜さ、特に旧文明や自然に対する畏敬を忘れた「西洋文明」への批判(中にはフランス革命も含まれる)精神が見られるように思う。娯楽作品なんだけど、結末が苦い。

ヴィドック(ビデオ):一応は、オカルト物なんだろうけれど、ミステリーとして楽しい。よく考えてみれば、ヒントは結構散りばめてある。ちらっとは頭を掠めたのだが、ああいう結末だったとは。こういう裏切られ方は好きだ。


ルーブルの怪人(ビデオ):ソフィー・マルソーを観るための映画。確かに、そのためだけに観たのだけれど。全く怖くない、ちょっと笑えるホラー。B級コミックの味。

プレッジ(ビデオ):ジャック・ニコルソン主演を念頭に作った脚本なのだろうか。すごい。美しい映像、偏見と差別、囚われた心。まとまるかと思ったが、終幕はきちんと外した。すごい。

D坂殺人事件(ビデオ):実相寺昭雄監督、真田広之主演、江戸川乱歩原作、ということで観ました。メトロン星人あだるとばーじょん。様々な趣向があり、好きな分野だとは思うが、その前日にプレッジを観た眼には辛い。人の心の暗部の断面を描こうとしているんだろうけれど。真田広之、頑張ってます。

鉄と鉛(ビデオ):渡瀬恒彦竹中直人のラインナップ。名前の出ない探偵というのは、米国のハードボイルド小説が元祖だと思う。つまり、そういう男性の好きな甘いゆでたまご。そして、それを観た夜に勝手な続編の夢を見る自分もかなりロマンチストだと思う。

ダンジョン&ドラゴン(ビデオ):最初の数分でスターウォーズを思い出した。ヒロインも含めて、女性が美人でなく、露出度も低い。ストーリーは大幅に端折っている。ただひたすらにドラゴン。悪役のジェレミー・アイアンズがものすごく楽しそう。本当に楽しそう。


シッピング・ニュース(ビデオ):主人公のケビン・スペイシーが素晴らしい。壊れた心もいつかは癒されるかもしれない。壊れた家の跡に残る絶景。題名(日本語の)は何とかならないものか?

ボウリンブ・フォー・コロンバイン:この映画が米国アカデミー賞を受賞したことの健全さを思う。米国の大手報道メディアは実際の米国人の状況を報道していないのではないか?資本主義とは、金持ちが全てを操作できるということなのか?

ネメシス S.T.X:スター・トレックシリーズの映画。パトリック・スチュアート目当てで観に行って良かった。全く同じ遺伝子情報を持ったクローンでも、環境によって全く異なる存在になる。暴力と弾圧によって歪められた心。クリンゴン人に代わってシリーズの宿敵となっていたロミュラン人との和解を暗示させる結末。アンドロイドであるデータ少佐の死と彼の記憶をダウンロードされたプロトタイプの成長の兆し。正直に書くと、ネクストジェネレーションでこけたので、以降のこのシリーズの映画は観ていないのだ。ファンを名乗るのもおこがましいな。

予定
TRY」は絶対に見る! => 行きました!
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」も。 => 行きました!

他がちょっと...