映画の話  2007年秋〜2008年春

 実は、買った映画のDVDの多くを観ていない。いつでも観られると思うと観ないんだよなあ。本当は、観て面白かった映画だけを買いたいんだけど、つい...で、オンラインのレンタルDVDに加入しようか検討中。買って面白くなかったら嫌だし、レンタルビデオ屋はかったるいし...

ミス・ポター:この時代、自分の意志を貫き通すことは並大抵のことではなかったはず。幸運に恵まれていたにせよ、主人公の遺した功績は素晴らしいと思う。暗号で日記を書いていたり、母親との確執など、本当はもっとどろどろした側面もあっただろうけれど、映画としてはまとまっています。動くジマイマやピーターたちが可愛い!

ファンタスティック・フォー:銀河の危機:まあ、気楽に観られる楽しい映画です。最年少で甘えん坊なジョニーの成長ぶりが軸と言えるかな。シルバーサーファーは、期待していたほどじゃないです。

ローグ アサシン:リー・リンチェイ(ジェット・リー)ファンなら見るべし!相変わらず、ハリウッドの日本描写は失笑物なので、そこは覚悟して。ジョン・ローンが老けていたのが哀しかったです。

パンズ・ラビリンス:これを「ファンタジー映画」と思って観に行ってはいけません。また、子供が見るものでもありません。絶対に米国ハリウッドでは作られないであろう重厚な映画です。「感動」などという軽薄な言葉では表現できない、凄まじい作品です。主人公の少女ばかり話題になっていましたが、「大尉」役の方がまた素晴らしい熱演です。観終わった後、涙も出ませんでした。誰にでも「観るといいよ!」とは薦められません。でも、この映画を受け止められる人と友達になりたいです。

グッド・シェパード:マット・デイモンが真面目なCIA職員を熱演。アンジェリーナ・ジョリーも、米国の上流階級女性役をきちんと演じていて、好感が持てました。派手さはないですし、見終わって爽快感を得る作品ではありませんので、難しいかもしれませんが、ロバート・デ・ニーロは3部作にしたいと言っているようなので、期待してます。

ブレイブ ワン:ジョディ・フォスターが相変わらず上手いです。個人的にラストが大反対なので、ちょっと嫌です。

ナンバー23:ジム・キャリーは熱演してましたけどね。神秘主義とか歴史とか、そういう物を期待させるような煽り文句は止めて欲しいなあ。ま、妄想はほどほどに、ということで。

椿三十郎:織田裕二ん頑張ってました。松山ケンイチさんも頑張ってました。脇もベテラン勢で固めてました。なのに、中村玉緒さんに全員負けてました。やはり、往年の時代劇映画で育った大女優だと感服しました!全体に小粒な印象を受けてしまいましたが、脚本が本当によくできていたと思います。前作を観てみたいです。

魍魎のはこ(はこは「はこがまえ」に甲):堤真一さん、椎名平さん、柄本明さんということで、観に行きました。ようするにフランケンシュタインなんだけど、そこに耽美的要素が加わってる感じかな。宮藤官九郎さんが美味しいとこ取り。

アイ・アム・レジェンド:ウィル・スミス熱演。前半の犬との絡みはすごく良かったです。なぜ、後半が「神の声」などという訳の分からんことになるかな?たぶん、原作とは随分違ってしまっているのでしょう。原作の物語を知りたいです。

ベオウルフ:監督がロバート・ゼメキスだという時点で気付くべきでした。これは、フルCGアニメーション映画です。実写映画と思って観るとすごく違和感がありました。でも、物語としては、昨今流行のファンタジー物よりも上出来だと思います。子供には見せられませんが。本来、英雄って、乱暴で下品で残酷で短絡的で利己主義な、権勢欲や名誉欲や自己主張が強い馬鹿者なのではないでしょうか?若いうちから清廉潔白な人って変じゃない?と思います。で、女は強い、所詮、男は女には適わないんだ、というところでしょう。

迷子の警察音楽隊:不器用な人でも自分なりに生きている。それで善いんだ、と思わせてくれる映画です。もちろん、現在の中東情勢と重ねて観ることも忘れてはならないのでしょうが。

ナショナル・トレジャー2:エド・ハリス見たさでいきました。ヘレン・ミレンが良かったです。良い意味でも悪い意味でもディズニー映画ですね。

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師:ジョニー・デップアラン・リックマン見たさに行きました。ヘレナ・ボナム=カーターの眼の演技が素晴らしかったです。歌も素晴らしく、CDを買おうか検討中。皆が自分の幸せを追い求め、全員が不幸になる惨たらしくも美しい悲劇です。

L change the world:思っていたよりも出来が良かったです。また、いい役者を揃えてるんだ、これが。だからこそ、1人の下手さが致命的に興を殺ぐんだよなあ...

マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋:ラストが急ぎすぎだとは感じましたが、純粋に楽しめば良い映画だと思います。ダスティン・ホフマンは、やっぱり上手いですねえ。子役も達者です。

チーム・バチスタの栄光:原作ファンは、原作の良さを求めて観に行ってはいけない作品です。最初から「原作とは全く違うんだよ」という作り手の強いメッセージが伝わってきます。全く別作品として観れば、それなりにまとまっています。阿部寛は、すごく損な役どころになってしまいました。

ライラの冒険 黄金の羅針盤:原作を読んでません。買いました。正統な感じの子供向けファンタジー。だから、深読みもできる。キャストがまた好いんです!続編も期待。

ジャンパー:ヘイデン・クリステンセンを魅せる作品。それだけ。

ダージリン急行:愛されなかった、愛されたかった、そんな喪失感から抜け出せない兄弟。兄は「計画的な心の旅」で、兄弟の絆を取り戻そうとするけれど、やはり計画的にはいかなくて...大人になりきれないダメな中年男たちが、捉われていた物を放り出すラストが、私には憧れです。

魔法にかけられて(吹き替え版):本当は字幕版を観たかったのですが、時間が合わず。でも、吹き替えの歌も良かったです。字幕版もどこかで観たいなあ。

モンゴル:浅野忠信さん観たさで行きました。熱演です。本当に国際俳優なんだなあ、と。アカデミー賞が取れなかったのは、まあ、仕方が無いと思いました。もう1つお話に深みが感じられなかったから。モンゴルの自然描写は圧巻でした。

Sweet Rain 死神の精度:金城武ファンならば、絶対に見逃せない作品。冨士純子さんは流石の貫禄。吹越満さん、ストーカーはまり過ぎ。

クールワールド(DVD):ブラッド・ピット目当て。キム・ベイジンガーの馬鹿女役は、はまり過ぎてて怖いほど。実写とアニメの合成では、ロジャー・ラビットという作品があるのですが、それに比べるのが可哀相なくらいチープな作りです。お気楽に楽しむものですね。

クローバーフィールド/HAKAISHA:これ、あれですよね。あの作品へのオマージュですよね。主人公はJAPANへ発つ直前だし、エンディングの曲はあんなだし。違うのかな?

スパイダーウィックの謎:パンズ・ラビリンスと比べてはいけないのでしょうが、あれを観てしまうと「所詮は米国ファンタジー物」と感じざるえない作品です。悪い妖精と善い妖精、両親の離婚に振り回されながら、根は優しく勇敢で、家族や世界を守ろうとする子供たち。原作も小学生向けくらいの「ライトファンタジー」のようです。でも、子供向けの割にはトロールが車に轢き殺されたり、ゴブリンたちがドロドロに溶かされたり、と残酷な描写も目に付きます。ああ、米国物だから、仕方ないのか...悪者は残酷に殺されるんだな...

パフューム ある人殺しの物語(DVD):アラン・リックマンダスティン・ホフマン見たさ。世の中には凄い話を考え付く人がいるもんだな、と。そして、それを映像化しちゃう人がいるんだな、と。

ナルニア国物語 第1章 ライオンと魔女(DVD):次回作がまもなく上映されるので、一応観ておこうかな、と。思ったよりも良い出来でした。割と原作に忠実だし。冒頭の戦争の部分は、ある意味必然でしょうか。

007 カジノ・ロワイヤル(DVD):食わず嫌いを反省しました。評判は良かったのですが、敬遠してたんです。やはり、007はショーン・コネリーだろう!と。単なる優男ではない、新しいボンドをダニエル・クレイグは体現していました。相当な覚悟がないと出来ない役ですもんね。私には、ちょっとドンパチが派手すぎでしたが、007には、これくらい必要ってことで。

魔法にかけられて(字幕版):で、観ました。うん、やっぱり、王子様って御バカだなあ。最後にやっと「らしく」なるけど。

この秋に観たい映画は、「パンズ・ラビリンス」! <= 凄かったです!