カード大好き!:過去記事

週1連載で、1枚のカードへの思いを語るコーナーです。
様々なタロットデッキから、毎回1枚を選んで掲載しています。
左の画像は、i岩波新書「零の発見」。タロットは数字と関連が深いので、必読の書と思っております。
2003年分 2004年分
2年保ちました!いやー、すごいなー。たぶん、本人が最も驚いています。

2005/01/02
Grand Tarot Belline」」の「Dix sceptres」
「10」を表すのに、六芒星と四角を用いています。

10は、小アルカナの最高数字であり、そのスートの最終形だと思っています。
「火」の最後。何なのでしょう?
「農民」を表すスートでもありますから、農民の最後?
ただ、この形からは、安定を感じます。

棒のスーツは、生命の樹では、最上位の三角形を表すそうです。
樹では、10は、おそらく最下位を示します。
原初の光はAから始まりますから。
安定した台の上に、星があるとも見えます。
数札も結構奥が深いです。
2005/01/06追記:
この札の六芒星は、太陽に見えると思います。

2005/01/09
THE BAROQUE BOHEMIAN CATS' TAROT」」の「(CUP)4」
かなりライダー・ウェイト版に忠実なCGタロットです。

このカードのタイトルを付けるとしたら「飽食」でしょうか。
猫は、猫のくせに、すぐ近くにいる2羽の鳩に気づかずに眠っているようです。
傍の4つの杯は飲み終わった後?に見えます。
他のデッキでは、不満そうな人物が描かれることの多いですが、このカードでは、ただ、寝ているように見えます。
「怠惰」も「飽食」も平和だから出来ることです。
いいなあ、と思います。

2005/01/16
「Rider Tarot」の「KNIGHT of PENTACLES.」
先日、占いをしていて、カードのシャッフル中に1枚めくれてしまいました。
それが、このカード。
見た瞬間、「あ、自分だ」と思いました。
実は、全く共通点が無いはずなんですが。

私は、生まれが水の星座で女性なんですね。
だから、地の星座で若い男性を表すカードのはずがない。
実は、アセンダントが乙女座で、独身で、オタクなんで、当っていないこともないか、と勝手に考えています。

黒い馬は全く動こうとしていません。
騎士も急ぐ気はないようです。
安定を望み、石橋を叩いて渡るような慎重さを感じます。
でも、走り出したら止まれないかもしれません。
ヘラクレスに踏み殺された蟹の末裔は、このカードを眺めながら、そんなことを考えていました。

2005/01/23
「MEDIEVAL CAT TAROT」の「THE WHEEL of FORTUNE」
「運命の輪」に目隠しをした人物を配したカードは時々目にします。
「一寸先は闇」といったところでしょうか。
このカードの表現は、とてもストレートです。

私は「安定」した生活が好きです。
「変化」が苦手なのです。
しかし、自分の望みとは別に周囲の環境は変化します。
自分の意志を持って環境を変えようとする強い人もいるでしょうが、私は強くはなれません。
このカードは、波風のない人生などはないことを意味していると思いますが、誰もがその中で生きていくという意味だとも思います。

2005/01/30
「FOREST FOLKLORE TAROT」の「X・THE WHEEL OF FORTUNE」
ほとんどが人物(妖精)を描いたカードのなのに、これだけが猫と犬と蛇のみです。
この画像では、相変わらず見難いですが、輪の頂上の猫が「猫!」という風情です。

輪の背景に、地平線にかかる太陽が描かれています。
私には暁に見えるのですが、どうでしょう。
日はまた廻る、なのかもしれません。

2005/02/07
「the Sacred Circle tarot」の「13 Death」
明るい月夜でしょうか。
遠くに見える満月の中には、何かが映っているようにも見えますが、定かではありません。
老いた女性が薄紫色の衣をまとい、三日月型の鎌をふるっています。
その足元には髑髏が落ちています。
左下の植物は、大麦でしょうか。

彼女は豊穣の女神なのだそうです。
実りの秋が来れば、雪と氷に閉ざされた冬が来ます。
その間、全ての生命は力を蓄えるのでしょう。
こういう「死」も良いのではないかと思う1枚です。

2005/02/13
「Le Tarot du Chien」の「棒のA(フランス語が分りません)」
時々、犬を飼いたくなります。
ちょっと頑固そうな猟犬タイプ。
犬は階層的な群れで暮らすので、リーダーには忠実です。
きっと、きちんと躾れば、飼い主に命令したり、説教したり、ベッドを奪ったり、問答無用で腕を枕にしたり、蹴飛ばしたり、しないんだろうと思います。

このカードは、炎の棒らしさを直接的に表していると思います。
犬の顔も良いでしょう?
逞しく、凛々しく、力強い1枚。

2005/02/20
「Tarot of MERMAIDS」の「0 The Fool」
正直に書きますが、デッキとしてはあまり好みではありません。
見る分には良いのですが、実占向きではないように思います。
でも、この「愚者」は、ちょっとお気に入り。

「愚者」のカードには、自由な感じが欲しい思っています。
このカードのグラマー美人は、すごくのびのびしているように見えるのです。
良く見ると、顔は妙な薄ら笑いを浮かべているようなんですが。
あっけらかんと、のびのびと、大らかに。
下の方の赤い魚が意味深ですが、何か意味があるのでしょうか?

2005/02/27
「Celestial Tarot」の「VII−The Chariot」
カードの上側のタイトルにあるように、「戦車」というよりも「蟹座」のカードです。
一応、右上の方に戦車の絵もあるのですが、メインは赤子を抱く女性の姿です。
デッキ全体が惑星や星座を主題にしています。
しかし、ここまでされると、タロットのイメージからずれる気もします。

なぜ「戦車」が蟹座なんでしょうか。
そこら辺を真面目に勉強していないので、よく分りません。
星座の本でも読まないといけないのでしょうか。

2005/03/06
「The Arthurian Tarot」の裏
ちょうどアーサー王伝説を扱った映画のビデオを観た直後なので、このカードを選びました。
中央の女性は右手に杯を左手に剣を握って座っています。
彼女の様子は、人ではなく、精霊のように見えます。

ケルトの神々は人々の信仰を失って妖精へと変貌したと言われます。
アーサー王伝説は、キリスト教の侵攻によって土着の精霊信仰が失われていく様を描いたという説もあるそうです。
湖の女神もアバロンも姿を消したのでしょうか。
役割を終えて、人の世界を離れ、どこかで静かに杯を傾けていると良いな、と思います。

2005/03/13
「Cat Tarot(木星王?)」の「XVII THE STAR」
タロットのサイト「tarotgarden」によれば、アレキサンドリア木星王著のタロットのようです。
発売当時は、箱も解説書も付いていたのでしょう。
私の手許に来た時には、既にカードだけになっていました。

星座は、一時各国の物が乱立したため、西欧の物を中心に88個に決められたのだそうです。
猫座はなく、山猫座はあるようです。
もちろん、このカードの絵とは関係ありません。

タロット好きには猫好きが多いように思います。
猫のタロットも多いですが、これ!とうなづけるものはあまり無い気がしています。
どうしても擬人化してしまいがちですし。
猫は猫なんですけどねえ。

2005/03/20
「Crystal Tarot(LO SCARABEO)」の「IL MATTO」
ちょっと東洋風の服装で、とても楽しそうな子供の姿に見えます。
崖っ端をピョンピョンと飛び跳ねながら歩いていそう。

今、仏教の本を読んでいます。
最初の頃の仏教の教えでは、それこそ「愚者」が理想の姿だったように思えます。
何も持たず、家にも住まず、何にも執着せず、独りで、他人からの施しをありがたく受取って、心穏やかに暮らす。
何も愛さず、名誉も財産も欲さず、誰も憎まず、形あるものに意味が無いと理解する。
確かに、そうすれば苦しみも哀しみも無いでしょうが、凡人には出来そうもありません。
美味しい物を食べて、楽しいと思いますから。

2005/03/27
「ROMANTIC Tarots(LO SCARABEO)」の「0 THE FOOL」
最近、数年振りにイタリア語版を入手しました。
これは、英語版の画像です。

何と言えば良いのか...
初めて見た時は、魔術師かと思いました。
しかし、良く見ると、確かに愚者かも。
どこか吹っ切れたような表情だと思います。

LO SCARABEO社のこのシリーズは、占い向きではありません。
しかし、画家の「愚者」のイメージは伝わってくる気がします。

2005/04/03
「TAROCCHI ROMANTICI」の「VI L'IMPERATORE」
「皇帝」です。幼い子供です。

このデッキは、決して実占向きではなく、解釈や象徴も占いとは離れて見るべきなのでしょう。
でも、この「子供」という感じがとても意味深な気がしています。

人が把握できるのは、実はとても狭い範囲だと思います。
皇帝は、全ての上に君臨しているつもりでしょうが、そんなわけがありません。
幼子は、本当に見えている範囲が狭い。
彼らの世界の狭さは、自分の王国を全て把握できていると思おうとする皇帝の姿に似ていると思うのです。

2005/04/10
「Le tarot du chat」の「XXI LE MONDE」
オーソドックスな「世界」です。
左上の「天使」が猫なところが細かい。

本来、擬人化した猫は好みませんが、この絵は、明らかに猫の表情をしています。
天上天下唯我独尊。
アタシのために世界は回っているのよ!
そんな気がしませんか?

2005/04/17
「Gummy Bear Tarot」の「THREE of CUPS」
かなり正統派のライダー・ウェイト版です。
だって、カボチャとブドウですよ!

「杯の3」は3人の女性が杯を掲げて踊っているような図柄です。
それは良く見ますが、正直のところ、カボチャやブドウ、その他の果実にまでは目がいっていませんでした。
このシンプルな絵柄のタロットは、そこを明確に示しています。
豊穣な大地と神の祝福。
単純で奥の深い1枚だと思います。

2005/04/24
「Maountain Dream Tarot」の「I Magician」
現在ならば、パソコンさえあれば素人でも簡単にグラフィック合成ができます。
しかし、このタロットが出版された1975年は、そんなに簡単なものではなかったはず。
下手な仮装にしか見えなくても、本人達は大真面目なのです。
撮影に4年かかったということですから、企画されたのは1970年頃でしょう。
時代を考えてみると、ちょっと納得するものがあります。

ここに画像を挙げたのは、2001年出版の第2版の方です。
タロットをこよなく愛する人の熱意が伝わってくるように思うのは、私だけでしょうか。

2005/05/01
The Rohrig-Tarot 」の「XVIII The Moon」
「月」というと、姿を変えるということで、不安定さや移り気の象徴のように見られることがあります。
また、人の気分や体調が月の満ち欠けに影響を受けるのだとまことしやかに言う人もいます。
月の満ち欠けは確かに目に見えやすいサインですが、生き物がそんなに単純なわけはありません。
それならば、地球と太陽との位置だって、それこそ太陽の黒点の変化だって影響しているでしょう。
近さを言うならば、地球そのものの変化の方がよほど影響が強いはずです。

このカードを見て思ったのは、描かれている女性が悩んでいるように見えるといことです。
それは、つまり、今カードを見ている私自身の迷いの反映でしょう。
彼女の上に君臨するように浮かぶ月という惑星は、自らは光を放たず、反射して光って見えます。
真実は何か、なかなか見えないものだと思います。

2005/05/08
THE BRIGHT IDEA DECK」の「0 FREEDOM」
タロットとは一言も書いてありませんが、明らかにタロットに基いたデッキです。
私は、解説書を読まずにカードを見ますが、米国の白人男性の作ではないかと思いました。
国と性別までは当っていました。

雄牛は、犬の代わりではなく、牡牛座の象徴だと思います。
「自由」ならば、砂時計はいらないんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう?
何かに追われているようにも見えてしまうんです。
ちょうど、私が仕事で切羽詰りかけているからかもしれませんけどね。

2005/05/15
ソウルフル タロット」の「0 FVI THE LOVERS」
何故、トンボなのでしょうか?
付属の解説書にも説明がないんですよ。
何故、トンボ?

画像の質が粗いので見難いと思います。
中央には天使とハートとベルがあります。
そして、左右に2匹のトンボが向かい合っています。
一目見た時には気づかなかったんですが、ちょっと背中で警戒警報が鳴りました。
昔は好きだったんですけどね、トンボ。
今は虫全般が苦手なのです。

夏にはトンボがいくらでもいる田舎で育ったため、こういう絵柄を見ると、トンボの交尾を思い出します。
そういう意味なのでしょうか?
トンボって、肉食で凶暴なイメージもあるんですけど。

2005/05/22
THE BRIGHT IDEA DECK」の「1 CAPABILITY」
今現在、少々へこんでいるので、このカードの雰囲気に憧れています。
いかにも軽々と何でもこなしそうですよね。

男性の背後の雲に水星の惑星記号があり、男性の靴から羽が出ていることからも、ヘルメスを示していることが分ります。
錬金術師たちが憧れたヘルメス。
技術が人を幸福にするとは思っていませんが、自分の無能さに煮詰まっている時は、羨ましいです。

2005/05/29
The Rohrig-Tarot 」の「Aceof Swords」
私は一般に剣のカードに争いのイメージを持っていません。
最初に風のイメージを持ったせいでしょうか。
留まることのない、冴え切った、冷涼なイメージがあります。
その中で、このカードには戦争のイメージを持ちました。
黒い雲は、まさに暗雲でしょう。
下に続く道の両側に立つ石が墓石に見えます。
墓標だけが立ち並ぶ緑の大地。
それが平和な時代だとしたら哀しいです。

2005/06/05
Eden Tarot 」の「XX Gericht」
「最後の審判」です。
ですから、ラッパを吹いているのは天使のはず。
どこが?と思うのは私だけでしょうか?

最初にこのカードを見た時、永井豪さんの有名なマンガ「デビルマン」を思い出しました。
考えてみたら、このデッキ全体に似た雰囲気があるように思います。

本来は、ラッパの音に誘われて天に誘われる魂を描いているのでしょう。
暗雲立ち込める中、蝶(蛾?)の羽を持つ精霊のラッパの音に黄泉の国へ吸い込まれていく死者の群れではないはず。
でも、そう見えるんですよねえ。

2005/06/12
TRAUM KARTEN 」の「37 MARRIAGE」
タロットではなく、占いカードです。
英語名では「DREAM CARDS」つまり「夢のカード」。
第一印象は、「悪夢の世界のカード」です。
ファンタジックな絵柄なんでしょうけれど。
そして、何とも強い印象があります。

比較的明るいイメージのカードを選んでみました。
結婚です。左下の指輪は結婚指輪ですね。
で、花嫁らしき女性のマントの上に乗っているのは親戚一族郎党でしょうか?
背景には大きな屋敷が見えます。

このカードは分りやすい方です。
何故?と思うカードも多いです。
妙に魅かれるのですが、使うのは私には難しそう...かな。

2005/06/19
EDEN TAROT 」の「XIII Die Karte ohne Namen」
タロットのXIIIに名前を付けないというデッキはいくつかあります。
このカードに付けられたタイトルは「名前の無い札」。

暗闇に稲妻が光る中、死の馬に跨って駈け抜ける死神の姿といった所でしょうか。
馬の足元には大量の骨が見えます。
死神というのは、何を考えているのでしょうか。
ただ仕事をしているだけ、というか、何も考えていないんじゃないかと思うことがあります。
死があるから生がある。
死へ向かって生きるのか。
ちょっと哲学。

2005/06/26
清風(手偏に弗)面 」の「18 月亮」
台湾のタロット。台湾のイラストレーターの陳淑芬さんか平凡さんの作かと思ったのですが、徳珍という名の人の作らしいです。
中国語は分らないので、漢字の感じです。

タロットの約束事は期待していませんでした。
実際、そういう物ではないと思います。
ただ、このカードはね、ちょっと意味深な気がして。
「美形を描いたカード」らしいのですが、このカードだけ顔を見せていない。
色っぽい、半裸の女性が月を前にして顔を逆側に向けて座っています。
誘惑しているようであり、拒絶しているようでもあり。
「月は無慈悲な夜の女王」という小説を思い出しました(ロマンチックな題名とは異なるハードなSF小説です)。

2005/07/03
天界妖精塔羅牌」の「聖杯2」
台湾のタロット。可愛らしいマンガ風イラストと派手な色彩ですが、本格ウェイト系です。
聖杯の2は、恋人らしい男女が杯を片手に向き合う絵が一般的です。
このカードもその構図ですが、2人には動物の耳と翼と尻尾があります。
女性の方は、猫風の耳と尻尾で、翼は羽です。
男性の方は、耳が少し小さくて、悪魔風の翼と尻尾なのです。
妖精が主題だそうですから、悪魔とか天使という意味ではないのでしょうか。

解説書が中国語ということもありますが、小アルカナについては説明文が少なくて、絵の意図が読めません。
でも、異種族の恋人どうしということで、ちょっとお気に入り。

2005/07/10
「The Tarot of the Dead」の「XIII」
骸骨だらけのタロットデッキの中で、ただ1枚、生きた人物を描いています。
「XIII」、名前の無いカードです。

私は、産まれる時、仮死状態だったそうです。
へその緒が自分の首に巻き付いていたからだとか。
子供は、産まれる時に、1度死を体験するものなのかもしれません。
死んだ人の魂は、また生まれ変わるという考えもあります。
だとしたら、死人にとっての誕生は「死」なのかもしれませんね。

2005/07/17
「TAROT OF WHITE CATS」の「I THE MAGICIAN」
基本的にはライダー・ウェイト系です。白い百合と紅い薔薇が咲き、立派な衣装を着た魔術師の頭上にはメビウスの輪があります。
ただ、魔術師が太った白猫で、どう見てもバトンにじゃれているとしか見えません。
気取って魔術師をやってても、猫は猫じゃん、みたいな。
ちなみに、机の上には別に芽吹いた木の棒があります。

このデブ猫、妙に楽しそうなんですよ。
あ、ちょい、ちょい、と。

2005/07/24
「AQUARIAN TAROT」の「XVII THE STAR」
「星」のカードは、全裸の女性が水辺で水を汲む姿が一般的です。
本来は、ライダー・ウェイト系のデッキですが、このカードはデザイン性重視というところでしょうか。
7つの星ではないし、夜空ですらありません。

華やかな雄の孔雀と大きな1つの星。
美しく強い力を感じます。
感じ方は人それぞれですが。
「星」は若さのカードだとも思っています。
とても好きな1枚です。

2005/07/31
「THE TAROT OF THE GEMSTONES AND CRYSTALS」の「Ace of Swords」
いわゆる「水晶」です。
好きです。

宝石や貴石とタロットの組み合わせというのは、かなり感じ方に個人差があると思います。
「剣の1」に水晶というのは、個人的には大変気に入っています。

剣には、冷たく切り裂くイメージを感じます。
凍てつく風のイメージです。
クォーツ時計は、水晶が電気を通じると規則的に振動する性質から作られているそうです。
電気と水晶、無機質な世界に広がる規則的な波紋。
こういう所に発想がいってしまうところが、問題なんでしょうか。

2005/08/07
「Crystal Tarot」の「XIX THE SUN」
大アルカナに貴金属や貴石を当てはめた日本のタロット。
これは、ルビーだそうです。
中央下の女性の腹辺りに紅い石が見えます。

私は、太陽というと金かダイアモンドを思い浮かべます。
このカードも、ぱっと見た感じは黄金ですよね。
とーっても暑いので連想した1枚。

2005/08/14
1JJ Swiss Tarot Cards 」の「LE MAT.」
クラシックなデッキの「愚者」です。
実は、道化の姿をした「愚者」はあまり好みません。
道化師って、元々は宮廷の人々を楽しませるための芸人なわけです。
けっして、自由なんかじゃない。

先日「アーサー王の死」という本を読んだのですが、その中で湖のランスロットが王妃に罵倒されて正気を失い、ある城の道化となっている場面がありました。
また、道化というと、私はシェイクスピアの「リア王」を思い出します。

このカードの道化は、ちょっと威張ってませんか?
現代でもそうですが、本当は芸人って、頭が良くないと出来ない職業だと思います。
宮廷の道化も、実は宮廷内の様々な情報に精通していたのかもしれません。

2005/08/21
「THE GILDED TAROT」の「SEVEN OF CUPS」
訳すと、「華麗なタロット」とでもいうのでしょうか。
とにかく、色鮮やかで派手で綺麗です。
パッと見、とても魅かれて、購入しました。
解釈もライダー・ウェイト系ですし。
このカードなんて特徴が出てます。
とにかく、綺麗。
ぼーっと見ていたい気分の時の1枚。

2005/08/28
「Tarot of the SECRET FOREST」の「Wands 9の裏」
表面が非常に暗い色彩で妖精世界を描いた絵で、裏面が同じ絵を白黒で描いた異色作です。
妖精の世界というとほのぼのとした物が多いと思いますが、本作は暗いというか不気味な印象を受けます。
絵としては、白黒側の方が強い印象を受けるように感じます。
中には、表と裏とで受ける感じが全く異なることも。
白黒で描くということが、いかに難しいことかと思い知らされます。

このカードは、大人しい印象です。
狐が可愛くて。
うちの飼い猫に印象がとてもよく似ています。
「待ち状態」ですよね。
獲物が通るのを待っているのでしょうか。
でも、背中に鷲のような鳥が留まっているのは何故でしょうか。

2005/09/04
「Tarot of the SECRET FOREST」の「Swords Kingの裏」
最初に見た時、「座頭市」かと思いました。
王というイメージではありません。
岩の上のようなところに座って、抜き身の剣を持っています。
目をつぶって、まるで周囲をうかがっているよう。

「皇帝」は孤独なカードだと思いますが、「剣の王」も少し孤独な気がします。
裏切りと策謀と。
そして、偉大な王と云われる人の子供が名君と呼ばれることは少ないように思います。

2005/09/11
「Tarot of the 78 DOORS」の「IX THE HERMIT」
ちょっと物語性の強過ぎる絵なんですよね。
タロットの絵は象徴なので、描き込み過ぎというか、イメージを限定し過ぎるのもどうかと思うのです。

画像が見難いですが、荒地の隠者に果物のカゴを抱えた豊満な女性の精霊?が迫っているのです。
福音書にある、イエスが砂漠で悪魔に誘惑される話に通じるものがあります。
中国では、偉い仙人が美女の水浴び姿を見て雲から落ちてしまいますが、イエスは誘惑に打ち勝ちます。
この絵の隠者はどうするのでしょう?
生真面目そうな表情からすると誘惑に負けないようです。
面白くないなあと思うのは、私が俗物だからでしょうね。

2005/09/18
ねこ屋敷タロット館オリジナルタロットカード」の「II THE HIGH PRIESTESS」
女教皇というよりは、修道女ですね。
でも、この静かな感じが好きです。

女教皇は、静寂と机上の知識のイメージがあります。
実践的ではなく、書庫の少し黴臭い本のイメージ。
彼女の所に、その知恵を借りるために訪れる人はいるでしょうが、彼女自身が扉を開けて外で出ることはないように思います。

きらびやかで荘厳な衣装は似合わないでしょう。
世俗的な権力や富とは離れて、深い思索に浸る。
憧れる生活ではありますが、人としては駄目なんだろうなあ。
そこから神の愛の実践へと進んだのがマザー・テレサなのだと思っています。

2005/09/25
「Aromatherapie-Karten」の「KAMILLE」
日本では、現在は「カモミール」と呼ばれています。
少し前までは、「かみつれ」という表現が使われたと思います。
「かみつれのお茶」とか。
気分を落ち着ける効能のあるハーブです。
就寝前に飲むと良いそうです。
ちょっとリンゴのような香りがあります。
牛乳を加えてミルクティにしても美味しいです。

ハーブは好きなので、そのために購入したのですが、如何せん全てドイツ語...
たぶん、占いにも使えるのだと思います。
このカードの属性は水(Wasser)です。
左下の陰陽マーク(太極図と右下の三角も属性を表しているようです。
大学では第2外国語を履修したんですけどねえ。
綺麗なカードなので、気に入ってはいるのですが...

2005/10/02
「Tarot for Cats」の「XII.. THE HANGING CAT」
色合いが綺麗なカードで、とても気に入っている1枚。

猫って、実は抱き上げるのをあまり喜ばない気がします。
うちの飼い猫は2匹とも嫌がりますね。
自分から膝に飛び乗るのは好きですが、人から抱かれるのは嫌い。
この猫も表情が憮然としていませんか?

タキシードタイプの白黒の猫って、憧れなんですよ。
黒猫も飼ってみたい。
今の飼い猫を里親さんに貰いに行った時、実は別の白黒の猫が欲しかったんです。
でも、相性が悪くって。
抱き上げたらガン飛ばされちゃいました。
結局、ものすごく愛想の良かった2匹を貰ったのです。
そう、当時は愛想も良かったし、素直な良い子に思えたんですよ。
当時はね...

2005/10/09
「花嫁天使塔羅牌」の「16 塔」
中国語のタロットです。
中国語は全く分りませんが、このデッキが、恋愛と結婚についてに絞りこんであることは分ります。

涙ぐみながら床に座りこんで電話をかける女性。
これが「塔」。
青春というか、恋愛というか、気恥ずかしい過去というか、甘苦い思い出というか。
背景は何なのでしょうか?
心象風景?何層もの色と白色に輝いているのは、山でしょうか、雲でしょうか。

本気の恋って、こうですよね。
久しぶりに色々と思い出してしまった1枚です。

2005/10/16
「魔戒塔羅牌」の「20 審判」
このカード、映画版の「Lord of the Ring(指輪物語)」の「旅の仲間」を観た方以外には解り難いかもしれません。
このカードの人物は、指輪を捨てに行く旅の仲間の1人、人間のボロミアです(演じるのは、悪役俳優のショーン・ビーン!)。
「指輪物語」は、縦軸として「魔力を持った指輪を捨てに行く」という物語があります。
指輪は魔王サウロンによって作られたもので、真の主の許に戻ろうとし、持ち主の心を蝕んでいきます。
そのため、妖精族や魔法使いは指輪を捨てることを決議するのですが、人間族だけは「指輪を使う」ことを主張します。
それでも、多数決に従い、人間の代表としてボロミアは「指輪を捨てる旅」に同行します。
旅は困難を極め、大切な仲間を失い、指輪の持ち主であるホビット族(小人のような種族)のフロドは旅の行く末を思い悩みます。そのフロドに対し、ボロミアは狂気の形相で「指輪を渡せ」と迫ってしまいます。
指輪の魔力によってフロドはボロミアの手から逃れ、ボロミアは我に返ります。
「俺は何をした?」
その後、このカードの場面が来ます。
もちろん、この場面が「審判」に選ばれたのは、「角笛を吹いているから」でしょう。
しかし、この後のボロミアの行動と最期は「審判」に相応しいと思うのです。

2005/10/23
「星象塔羅牌」の「35 Capricorn」
一応、山羊座のカードなんです、これ。
左下に小さく白い山羊が描かれてはいます。
でも、この絵はどう見ても童話の「ジャックと豆の木」でしょう。
解説書が中国語なので訳が解りません。
実は、元々は米国のタロットで、英語版も持っているのです。
カードと解説書を別々に仕舞ったことまでは覚えているのですが、解説書がどこにあるのか、さっぱり記憶にございません。
確か、ジャックが豆と交換したのは牛のはず。
なぜ、山羊座?

このデッキ、大アルカナと十二支と十二星座と太陽系の惑星その他で64枚あります。
いわゆるタロットカードの構成ではありません。
十二支というのが、中国語版が出た理由でしょうか?
追記:
Just like goats clambering up mountains, Capricorns are good at climbing to the very peak of success. That's why this card is illustrated with Jack and Beanstalk, as Jack is steadfastly making his way to the top of the beanstalk in true Capricorn fasion.(英文解説書より)

2005/10/30
「REVELATIONS TAROT」の「XIII DEATH」
訳すと「天啓のタロット」みたいな感じでしょうか。
割りと素直にウェイト・ライダー系の解釈に基いているようです。
面白いのが、正逆のイメージを両方描いていること。
このカードは、その典型です。
死と誕生ですね。
上はインドのシヴァ神?みたいです。
鎌を持って頭蓋骨の上で踊っています。
シヴァは、破壊と再生の神だったと記憶しています。
そういう意味では「死」のカードっぽい気もします。
ただ、「死」のカードは元々が再生の意味も内包していると思うので、逆にすると「誕生」というのは、少しイメージが違うような。
それと、赤ん坊の絵が怖いんです。
イメージの強い絵なので、元気な時に見るべきなデッキな気がしています。

2005/11/06
「The Archeon Tarot」の「XX JUDGMENT」
写真をコンピューターグラフィクス技術で合成したタロットは増えましたね。
懸命に衣装や小道具でタロットの登場人物に扮して撮影されていた頃から見れば、出来映えも雲泥の差ではあります。

このカード、わざと全体を白くしています。
そして、天使が持っているのは一振りの剣です。
最後の審判では、神の御心に適った者だけが神の国へ行けて、他の者は地獄へ落とされるわけです。
ですから、断罪という意味で剣というのは納得のいく気もします。
個人的には、「自分は神の御心に適った生き方をした」と胸を張って言う人ほど地獄行きだと思っています。
悩み、惑わない人などいないはずですから。

2005/11/13
「CAMOIN TAROT」の「VI LAMOVREVX」
今回これを選んだ理由は、映画「コープス・ブライド」を観たからです。
結婚式の誓いの言葉を練習中にうっかり指輪を死体の指にはめてしまい(枯れ木と間違えた)、死んだ花嫁と結婚する羽目に陥った青年の話。

このカード、左側の女性は母親だったり、娼婦だったり、情婦だったり、色々言われています。
その時々でどう見えるか、ということなのでしょう。
で、この絵で気になるのが、中央の男性が生足だってこと。
普通、ズボンというかタイツみたいなのを履いてませんか?
こういうこと気になるのって、変でしょうか?

2005/11/20
「VANDENBORRE BACCHUS TAROT」の「V BACUS」
古いタロットの復刻版シリーズのデッキです。
紙が分厚く、カードの角が四角です。
実占ではなく、コレクション用のデッキでしょう。

当時は木版画だったのだと思います。
決して丁寧な絵柄ではありません。
たぶんゲーム用でしょう。
おそらく「不敬」ということで「法皇」がローマの葡萄酒の神様「バッカス」に変えられています。
でも、全裸で、腰に葡萄の蔓を巻きつけた姿で酒樽に跨った格好というのもねえ。

バッカスは好色な神として知られています。
太った中年男として描かれることも多いですが、このカードは粗野な若者風。胸毛まであります。
バッカス、またはディオニュソス(ギリシア神話ではこちら)の祭というのは、酒を飲んで男女入り乱れての馬鹿騒ぎだったようです。
カトリック教会の頂点に立つ法皇とは対極の存在ではあります。
この絵のバッカスが飲んでいるのは赤葡萄酒でしょう。
法皇の代わりにバッカス、皮肉のような気がします。

2005/11/27
「TAROT OF WHITE CATS」の「ACE OF CHALICES」
蓮の池の上空に浮かぶ聖杯の中から、飛んでいる鳩に手を出している猫。
どう見ても狙ってます。
でも、鳩の方が1枚上手のようです。

所詮猫だし。
ええ、もう、飼い主と対等だと思ってるし。
天上天下唯我独尊。
アタシが1番偉いのよ!

このデッキの猫って、室内飼いの猫の傲慢さが出てると思います。
外猫は、もう少し遠慮するもんです。
世間の荒波を知っているから。

2005/12/04
「花嫁天使塔羅牌」の「4 皇帝」と「15 悪魔」
22枚の大アルカナだけの構成の中国版タロットです。
現代的な絵柄と独特の解釈らしいです(中国語なので良く分らないです)。
この2枚のカードは一般的には直接の繋がりはないと思います。
しかし、男女の位置と表情に差があるだけのほとんど同じ構図。
なかなか興味深いので並べてみました。

2005/12/11
「Abyssal Tarot」の「XXI WROLD」
ソフトフォーカスがかかったヌード写真をコンピュータグラフィクス技術で合成したタロットです。
ちょっと過激な映像もあります。

基本的に裸像写真は好きです。
女性でも男性でも。
ただし、美しい物のみに限ります。
この画像は、とにかく身体の線が美しいと思います。
豊かに飛翔する世界、というイメージを感じた1枚。

2005/12/18
「「清風(手偏に弗)面 」の「2 女祭祀」
「女教皇は、しばしば女性が書物を手に持っているのですが、このカードは手に何も持っていません。
目を閉じて、ちょっと瞑想しているようでもあります。
いかにも神官風の清潔な感じの衣装です。

「女教皇」「女祭祀」などとされるカードですが、私はいつも「卑弥呼」を思い出します。
世俗を拒絶するような印象があります。
この女性も手の形から「儀式」的なものを感じます。
でも、宗教儀式って、実はとても世俗的な気もするのです。
本質は「形」ではないと思うので。
形からの方が入りやすいですし、気分は得られますけれど、本当の意味が掴めなければ意味がないのではないでしょうか。
彼女は何を見ているのでしょうか?

2005/12/25
Grand Tarot Belline」の「13 la transformation」
古いタロットの復刻版なんですが、これは当時版画等の印刷物だったのでしょうか?
手描きで水彩の色を塗った感じがします。
で、絵が下手。
味のある下手さというか、本職では出せないような下手さ加減というか。
ひょっとしたら、赤で書いてあるタイトルは「死」かもしれません。
でも、フランス語で、しかも崩して書いてあるので読めません。
上段に「transformaton」と書いてあるところが好きです。

本来はコレクター向けの商品なんでしょう。
だから、これを使ってみてはいけないのでしょう。
でも、いつか使ってやるぞを思っているデッキです。