カード大好き!:過去記事

週1連載で、1枚のカードへの思いを語るコーナーです。
様々なタロットデッキから、毎回1枚を選んで掲載しています。
左の画像は画集「珍蔵」です。
タロットデッキ用として描かれた絵の画集。
2003年分 2004年分 2005年分 2006年分
5年目です。やはり、定番物を取り上げることが多いですね。タロット以外も結構掲載してるなあ。

2007/01/07
「RIDER WAITE TAROT」の「VI THE LOVERS.」
「恋人」のカードは、恋愛の意味もありますが、「選択」「別れ道」という意味もあります。
先日、このカードを見直して気づいたのですが、ひょっとして、この男女は別々の道に立っていませんか?
遠くの山の頂は、2人の間を隔てているようにも見えます。
女性の背後の木に比べ、男性の背後の木は幹も枝も真っ黒です。炭のように。
そして、この男女、視線が合っていません。
見詰め合っているわけではないのですね。
ちょっと怖いカードのような気がしてきました。

2007/01/14
「IL TAROCCHINO」の「I IL bagatto.」
このデッキの製作者は、Osvaldo Menegazziです。
いくつものタロットデッキを製作しています。
私の大好きな人形のタロットや煙草のタロットも彼の作品です。
ここまで象徴を単純化したデッキも少ないでしょう。
元々美術系のデッキかもしれません。
「魔術師」は、大道芸人、賭博師、詐欺師、露天商であるとする解釈もあります。
イタリアのタロットには、そう描かれることも多いようです。
手の肌の色が褐色です。
身分が高くないことを示しています。
紙質も含めて実用的ではないかもしれませんが、ちょっと面白いタロットです。
イタリア語が分かればなあ。

2007/01/21
「i Tarocchi di Robot」の「I Il Bagatto」
タロット収集を始める前に購入したタロットです。
当時は、Lo Scarabeoの名前すら知りませんでした。
どこのどういう店で買ったのかも記憶にありません。

いわゆる、芸術系のデッキなので、実用向きではないかもしれません。
絵も好みが分かれるでしょう。
暗いし、どこかエロティックだし、怖いし。
それなのに、時々、強く惹かれる気がするのです。

2007/01/28
「タロット占い(Mahou著)」の「I THE MAGICIAN」
最近売り出された日本物のタロットです。
DVD付き。見ていません。
匂いのきつい物が一切ダメということもあって、「お香」とあった時点で拒絶反応が出てしまいました。
香り付きの石鹸やロウソクの売り場に近寄れないのです。
お線香の匂いは好きなんですけどね。
リンスでかぶれる事がある位に肌も弱いので、化粧品の類もダメです。
時々、通販でタロットを買うと、梱包材に香りがついていることがあります。それもダメ。気になります。
で、このカード、なぜか、地面を指す左手が気になって、気になって。
ライダー系だと普通のポーズなんですが。
右手の上げ方が中途半端なのかな?
普通の、とてもオーソドックスなデザインのデッキなんです。
でも、気になる...左手...

2007/02/04
「Tattooed Tarot」の「QUEEN OF SWORDS」
刺青は、あまり好きではありません。
化粧の原点であり、究極の化粧だとは思いますが。
見ていて、針を刺すところを想像してしまって、痛そうだから、という大変くだらない理由です。
ある本で、著者が刺青を入れる際、皮膚の柔らかい処を彫る方が痛いと実体験から書いていらっしゃいました。
この絵、とても美しいし、色っぽいとは思うのですが、とても怖いんです。
だって、急所ですよ?
一歩間違えれば死ぬじゃん!と思います。
剣の女王らしくて、格好良いんですけど。
刺青の柄が、可愛らしくて、本人の格好良さとのアンバランスさが、また良いんですよね。

2007/02/11
「運命が見えるタロット占い」の「19 THE SUN」
私は根本的に不健康な人です。
今月は、病院月間で、病院に行かない週はないという有様。
医療費の通知を見たくありません。
「太陽」のカードは、「健康」の象徴です。
羨ましいです。
太陽のカードは、向日葵が描かれることが多いですね。
中央の子供が抱いているのはライオンの子供です。
これも太陽らしいと思います。
また、このカードには「白日の下に曝す」という意味もあります。
時々、こういうカードを見たくなるのは、やはり、不健康なんでしょうね。

2007/02/18
「The Aleister Crowley Thoth Tarot」の「Queen of Swords」
最近、自分は剣の女王が好きらしいと自覚しました。
好きなカードって、年齢とともに変化するのかもしれませんが。
剣の女王は、剣先を上に向けていることが多いと思いますが、このカードは下に向けています。
左手に持っている物は何なのでしょう?
髭を生やした顔が浮かんでいます。
頭上にも小さな子供の顔があります。

びょうびょうと鳴る風の中に座る女王のカードです。

2007/02/25
「THE DRUID ANIMAL ORACLE DECK」の「RAVEN」
2003年に「正体不明」として取り上げたデッキです。
ようやく解説書付きのフルセットを入手しました。
さて、どうしてカラスという鳥は不吉の代名詞のように言われるのでしょうか?
漢字だと鴉か烏ですね。
あ、でも、日本の神話ではヤタガラスがいるか...
鴉は利口な上、仲間思いな鳥のようです。
鳩もそうですが、鳥というのは元来残酷な生物です。
弱い物には徹底した攻撃を加えることもあります。
ヒッチコックの映画「鳥」のように、西洋では、そちらの印象が強いのかもしれません。

2007/03/04
「TARO'CCHI DEL CINEMA」の「16-LA TORRE」
古いモノクロ版のフランケンシュタインシリーズの絵ですね。
日本でも、「フランケンシュタイン」と言うと、この絵のイメージでしょう。
しかし、このシリーズは原作とはかなり異なっています(近年、原作に沿った映画も作られています)。
「フランケンシュタイン」は、怪物を造った人物の名前で、原作中に怪物の名前は出てきません。
原作の方が「塔」に相応しい気がします。
フランケンシュタインは、自分の考えを試そうと複数の死体から合成人間を造り、全てを、自分の恋人も含めた全てを失います。
このデッキは、タロットの考えに沿った物ではありませんが、このカードと「星」のカードは気に入っています。

2007/03/11
「TAROT CLASSIC」の「I THE MAGICIAN」
タロットを学ぶ者としては、1つは伝統的なマルセーユ系のデッキを持っておくべきと思います。
私も最初に触ったのはライダー・ウェイト系(少女マンガ雑誌の付録)なので、当初はマルセーユ系は苦手でした。
しかし、数(数字ではなく)の意味を捉えるのなら、数札の方が良いのかもしれないと、勉強を進めるうちに思えるようになりました。
このデッキは、色が面白くて、お気に入りです。
版画調ではなく、色の塗り跡が見えるような感じも好いです。
ただ、私の色彩感覚は、ちょっと変らしいので、好みが分かれるかもしれません。

2007/03/18
「TAROT CLASSIC」の「XII THE HANGED MAN」
髭が気になった一枚。
吊られた男って、髭を生やしていない場合が多い気がします。
髭は、男性の化粧の一種だと思います。
時代小説の作家さんが、主を持つ武士は髭を生やさないと書いておられました。
髭は、自分を強く見せるための物なので、主君に仕える身では無礼になるそうです。
欧州では、たとえば、三銃士の主人公たちは髭を生やしています。
音楽家は髭を生やしていない肖像画が多いような...
ある種の宗教では、髭を剃ることはしませんね。
髭に意味はあるのか、無いのか。
無い方が意味があるのか?などと逡巡しています。

2007/03/25
「B.O.T.A. TAROT」の「1 THE MAGICIAN」
このカードが好きな理由、それは、顔です。
身も蓋もありませんね。
ギリシャ彫刻のように均整が取れていると思います。

本来は、自分で色を塗るカードなので、そのための教本(?)もあるそうです。
買ってませんが。
とりあえず、コンピューター内に画像は取り込んであります。
私は、色彩感覚が変みたいなので、自分の思う通りに塗らない方が良いのでしょうが、やっぱり塗る時は好き放題するんだろうと思っています。

2007/04/01
「B.O.T.A. TAROT」の「4(wand)」
このカードは、私のタロットに対する考えを変えさせた1枚です。
それまでの私は、ライダー・ウェイト版が最良だと考えていました。
木星王さんの著書で、このデッキが解説に使用されており、それで見たのが最初です。
「数」とは何なのか、ということを初めて考えました。
このデッキは、いわゆる「生命の木」と関連付けていると思いますが、私自身は少し違った思いを抱いています。
このデッキは、本当に実占には向いていませんが、勉強になると思います。

2007/04/08
「ALBANO-WAITE TAROT」の「Cup X」
好きなカードではあるのですが、黄色がねえ...
このデッキの青色と黄色って、妙にきつい気がします。
それでいて、微妙な空の色。
真っ青な晴天ではありませんよね。
緑色がかった灰色がかった...
基本的に杯の10は「幸福!」という印象があります。
心が全部満たされたというか。
でも、時は移ろい、何事も変化します。
今の状況を維持する努力も必要なのでしょう。

2007/04/15
「MANGA TAROT」の「XII THE HANGED WOMAN」
欧州人の日本のイメージって、こうなんでしょうか?
日本の「MANGA」やジャパニメーションは世界でも人気だとかで、外務省が某マンガの主人公を使った冊子を作ったという記事を読んだ直後に、このデッキを入手しました。

このデッキの面白い所は、男女が逆になっている物が多い点です。
このカードなんて、女性が倒立しています。
吊られてすらいません。
解説書によると、コートカードの王と女王も逆になっているようです。
日本人向きじゃないデッキなんでしょうねえ..

2007/04/22
「Ravenswood Eastern Tarot」の「0 THE FOOL」
中東のイメージを取り入れたタロットだそうです。
自分で色を塗るタイプです。
触った時にもそう思ったのですが、付属のブックレットにも明記されていました。
色を塗るタイプは、実占に使うには紙質に問題があると思います。
カードの表面がコーティングされていません。
自分だけのタロットを、という気持ちも解るので複雑な気分です。
このカードを取り上げたのは、絵柄に不満があるからです。
これ、愚者?と思いましたもん。
魔術師なら、まだ分かる気もしますが、愚者?
遊び人だとは感じますが。
目隠しをしているところが愚者なのでしょうか?

2007/04/29
「Complete Tarot Pack」の「My Tarot」「THE LOVERS」
自分で色を塗るタイプのタロットを続けて3つ入手しました。
折角なので、以前色付きのカードを紹介した物を載せます。
彩色済みの物とは、また違った印象です。
というか、中央の男性の間抜けさが余計に引き立っているような...どこを見てるんだこのバカは!

真面目な話、このカードは、自分で色を塗るのは難しいように思います。
絵が細かいのにカードの大きさが普通なんです。
色鉛筆で、ちょこちょこ塗るくらいかな。
最近は「大人の塗り絵」が流行っているそうなので、試してみるのも良いかもしれません。

2007/05/06
「Celtic Tarot」の「I LE・BATELEUR」
あまり期待しないで買ったデッキが思いの外気に入った時は、とても嬉しいです。
期待もせずに買うな、という考えもありますが(馬鹿)。

このカード、いかにも博打打で、海千山千、舌先三寸、世の裏街道を歩いて来た色男に見えませんか?
こーゆー男に騙されたいとは全く思いませんが、絵になるハンサムを観賞するのは大好きです!
特に、テーブルの下の足の色っぽいこと。
あー、オバサンですねえ、ホント...

2007/05/13
「キャットタロット」の「VI THE LOVERS」
完本入手記念!
仲の良い猫同士が互いの身体を舐めあっている姿は好きです。
確か、猫は、雌だけが子育てをしたような気がしますが。
ライオンも雄は見かけだけで、結構哀れだったりします。
現在の家猫は、完全に家禽とされた種で、既に野生ではないのだとどこかで読んだ気がします。
そもそも、白い毛は野生では不利。
それなのに日本で白い毛を持つ猫が多いのは、白猫を縁起が良いとして人が残したためだそうです。
そんな猫達に野生の姿を求めるなんて、本当に人は身勝手なんですね。

2007/05/20
「Sheridan Douglas」の「(Pentacles)7」
今日の気分がこのカードなので、選んでみました。
犬の色が白いんですね。
勝手に茶色の犬だと思っていました。

私は、最初に触れたタロットがライダー・ウェイト系(雑誌の付録)だったため、どうしてもライダー・ウェイト版のカードを思い浮かべる癖があります。
でも、何故か、このカードからウェイト版のカードが思い浮かばないのです。
寂しそうにうつむいている若者に寄り添うようにうずくまる犬のせいではないかと思っています。
今見ると、遠くの風車小屋らしい建物と鳥の群れも意味深ですね。
色が付くだけで、結構印象が変わるものです。

2007/05/27
「ROLLA NORDIC TAROT」の「I THE JUGGLER」
自分で色を塗るタロットとしては、最も古い物の1つだと思います。
カードの表面がコーティングされていますから、水彩絵の具での着色は難しいかも。
それに、カードが小さいです。

このカードは、「I」らしくて好きです。
「魔術師」じゃないんです。
優男っぽいでしょ?
本当に大道芸人という雰囲気を感じます。
「I」のカードに限っては、私はマルセーユ系の方が好きかな。

2007/06/04
「VIA TAROT THE PATH OF LIFE」の「XV The Devil」
ジョージア・オキーフという画家をご存知でしょうか?
花の絵で有名になり、その後、動物の骨を題材にした絵で更に有名になりました。
とても個人的な意見ですが、彼女の描く花も骨も、とてもエロティックな印象を受けます。
もっとも、私は骨自体、とても美しいと思いますけどね。
このカードの絵は、オキーフの絵と少し似ています。
オキーフの絵の方がもっと鮮烈でストイックだと感じますが。
オキーフは人をほとんど描かなかったそうですが、私はずっと人間を描いていた方のような気がします。
悪魔って、人の根源に必ず存在すると思うんです。
自分の中の悪魔とどう折り合いを付けるか。
死も性も人から切り離せるものではないでしょう。
抑圧することと制御することは違います。
自分は制御出来ている、と思った時こそ危ないのかもしれませんね。

2007/06/10
「VIA TAROT THE PATH OF LIFE」の「Two of Disks」
この上の絵は、バフォメットだったかな?
解説書によると、別に悪魔のつもりではないようですが。
山羊は獣欲の象徴のように扱われますね。
ゲームなどでは、天使や悪魔の名称が使われることが多いですが、初期の聖書には天使も悪魔も名前が出てきません。
土地神の名前がキリスト教等の侵攻によって使われたようです。
仏教もキリスト教も禁欲を奨めますが、何故なんでしょう?
ギリシャ神話など、とても大らかなのに。
手っ取り早い「修行」だからでしょうか?

2007/06/17
「STARTER TAROT DECK」の「TEN OF SWORDS」
カードの上下にキーワードが書かれているタロットです。
大アルカナはマルセーユ系ですが、小アルカナは、このように独自の絵になっています。

今回、このカードを選んだのは、夫を殺した上で死体を切断して放棄した女性が逮捕されたニュースを見たからです。
昨日は、妻の死体を愛人と一緒に切断した男性が逮捕されたと聞きました。
レミングの行進なのでしょうか...

2007/06/25
「Stella's Tarot」の「III The Empress」
幸せそうな女帝のカード。
不思議なことに、私はあまり女帝に幸福感を感じません。
卑弥呼(女教皇?)やエリザベス1世やエカテリーナやマリア・テレジアの印象があるからでしょうか。
このカードに幸福を感じたのは、「皇帝」のカードと並べてみたからだと思います。
このカードの女性は、左を向いていますよね?
皇帝と向き合っているのです。
ちょっと優しい気分になれました。
是非、並べて眺めてみてください。

2007/07/01
「幸福を呼ぶ ぬり絵タロット」の「A」の「0 THE FOOL」
自分で色を塗るタロットです。
綴じ込み形式なので、カードにするためには、カッターナイフなどで切り抜く必要があります。
不器用なので、私には無理でしょう。
色鉛筆の使い方の本を何冊か買ってしまいました。
私、色を塗るのが本当に下手なんです。
動画風のとぼけた感じが好きなので、是非塗ってみたいと思っています。

2007/07/08
「THE ATAVIST TAROT」の「4 EMPEROR」
トート系の癖のあるデッキです。
作り手の思いというか、熱意が溢れ出て来る印象を受けました。
全体的には私のレベルでは使いこなせそうにないです。
このデッキで、驚いたのが、このカードです。
「皇帝」は孤独や孤高の意味もあると思っていましたが、このカードでは、我が子らしい幼児をしっかりと自分の腕に抱きしめています。
それでも、孤独さは感じますが。
まるで、自分が何よりも大切にしている存在を守り通そうとしているような。
子供が無邪気で、そして信頼し切った様子に見えます。
何かを感じた1枚です。

2007/07/15
The Housewive's Tarot」の「XX JUDGMENT」
えー、世の中には、ジョーク系のタロットというものも存在すると思います。
このデッキ、何となく買ってみたのですが、このカードを見て苦笑するしかない、と思いました。
もうだいぶ長い間、勤め先の健康診断以外では体重計に乗ってません。
健康には気をつけましょう!

2007/07/22
「Il Tarrocco di Sandro Pipino」の「FANTE DI DENARI」
ポーズなどは、ライダー・ウェイト版と大して違わないのに、顔がのっぺらぼうなだけでこれほど印象が違うとは。
「隠者」などは顔が描かれています。
小アルカナは、ほぼ顔がありません。
時々、取り出して眺めてみたくなるデッキです。
不思議なのは、見る時の自分次第で、この顔に表情というか、眼差しなどが浮かんで見えるか、ただの人形に見えるかが違うことです。
今は、ちょっと目つきの悪い若者に見えます。
男性不信?

2007/07/31
「キャットタロット」の「XVI THE TOWER」
私は雷が大嫌いなのです。
昨日と一昨日、パソコンを使っている最中に雷鳴が轟きました。
私の自宅近くには高いビルが多いので、たいていはそちらに落ちてくれます。
でも、音が怖い!
一昨日は、近所に2回は落ちてました。
パソコンを使っている際に落雷を受けると壊れるそうです。
というわけで、すぐにパソコンを止めてしまいました。

雷の恐ろしさを表すカードを、と思ったのに、今ひとつイメージが沸きませんでした。
まあ、これくらい愛嬌がある方がいいかな...

2007/08/05
「Brotherhood Tarot」の「17 The Star」
ゲイ向けのタロットです。男性しか登場しません。
「女帝」まで男性だったのは、ちょっと違和感を感じましたが、意味の表現の仕方の問題でしょうね。

「星」は希望のカードだと思っています。
暗い闇の中に輝く希望の光、というイメージでしょうか。

私は調子が悪くなると下ばかり見ているそうです。
希望は、頭上に見えているかもしれないのに、見ようとしなくなるのでしょう。
上を見て、手を伸ばせば、届くかもしれない光。
少しだけ足を前に踏み出せば出来るはずのことが出来なくなる時、このカードを思い出せれば、と思います。

2007/08/12
「AQUARIAN TAROT」の「III THE EMPRESS」
昨日観た映画で、「母と女」について考えました。
魔女が登場する作品でした。
娘を愛する母であり、男に裏切られた女であり。
「夜の女王」という名なので、欲望と感情の象徴なのだろうと思います。
知性と叡智の象徴である太陽に敗れ去り、地獄へ堕ちる役所です。
このカードの空を闇夜で塗り潰したら、合いそうな気がします。
現在では、特に恋愛や結婚を占う場合にこのカードが正位置で出ると「吉」とされます。
以前は「獣欲」のような捉え方をされたこともあったと読んだ記憶があります。
夜があるので安らかに眠れるし、植物なども夜に大きく成長するのですが。
本能や自然に近いカードなのかもしれません。

2007/08/26
Hudes Tarot Deck」の「Seven of Wands」
美形なので選びました。
背景も、感じが好いでしょう?

本来はライダー・ウェイト系のデッキです。
ライダー・ウェイト版では優位に争いを進めているような印象があるのですが、このカードは少し違います。
憂いを帯びた表情を感じます。
このデッキは、多くの絵柄で下半身が描かれていません。
この人物の足下はどうなっているのでしょうか?
今の私には戦いの小休止か停戦中の荒野のように見えるのです。

2007/09/02
CLOW CARD」の「樹 THE WOOD」
タロットどころか占いカードですらないですね。
テレビアニメーション番組のグッズです。
一応、占い方の本も同時に出版されてはいました。

「樹」という漢字が好きです。
「木」よりも「樹」です。
植物が現れ、森林が出来てから、動物が陸に上がったそうです。
海は命の源ですが、樹は動物が生きる場を提供してくれます。
字の構成も面白いですよね。

2007/09/09
EL TAROT DEL ARCO IRIS」の「0 EL LOCO」
邦訳すると「虹のタロット」です。
スペイン語のタロットで、解説書までスペイン語です。
私は、スペイン語は、某語学番組の影響で1から20まで数えられますが、そこまでです。
絵の雰囲気が合うか合わないかで好みが分かれる気がします。
象徴は標準的だと思いますし、小アルカナが数札。
悪魔や世界、杯のカードなんかちょっと面白いんですが。
ぱっと見のインパクトが薄い分、損しているようなデッキです。

2007/09/16
The Chinese Tarot Deck」の「VI THE LOVERS」
ずっと敬遠していたデッキでした。
中国とタロットは違うだろ!という思いがありまして。
U.S.GAMESだし、1個くらいいいか、と思って買ったのはいつのことだったか。
予想よりも絵が綺麗で、中国らしさが出ていて、他所のオリエンタル調とは違うなあ、と驚いたことを覚えています。
特に、このカードが気に入っています。
この画像では分かりにくいですが、少女の持つ籠風の入れ物の中にはカエルがいて、その息が煙のようになっています。
浮世離れした夢のような絵が、元々の「恋人」とは違う印象を与えます。
でも、恋愛中って、こんなものだった気がします。

2007/09/23
Crow's Magick Tarot」の「King of Coins」
お気に入りなんですが、ちょっと私のレベルでは使えそうにないデッキです。
作者は、他にもタロットを作成されています。
キーワードは書いてあるのですが、象徴が分かり難いと思います。
解説書を読んでから、それを土台にして閃きで使うのが正解なのでしょうけれど、特に動物については、個人的な印象があるのでそちらで解釈しそうです。
たとえば、虎なら私は孤高を感じますが、獅子には孤独を感じないのですよ。
虎は群れで暮らしませんが、獅子は群れを作りますから。
難しいですね。

2007/09/30
The Alchemical Tarot」の「THE MAGICIAN」
どう見てもヘルメスですね。
ローマ神話ではマーキュリー。
知識や伝達の神様です。
コンピューターやIT産業は、きっとこの神様の範疇になるのでしょう。
で、ヘルメスは泥棒の神様でもあるのですよね。
何故、泥棒の神様なんているのでしょうか?
このカードを見てから気になってしまって...

2007/10/07
Tarot of the ELVES」の「0」
全てをCGで作成したタロットです。
一生懸命頑張って作ったんだろうなあ、と思います。
CGって難しいです。
質感の表現など特に。
ゲーム画像のような絵柄は現在のCGの限界でもあります。
この絵は「愚者」ですが、独特の解釈になっています。
そもそも、犬は寝ているし、蜘蛛がいるし、誘惑者のような女性も見えます。
大きな蜘蛛に気付かずに蝶に手を伸ばす若者は愚者っぽいですが。
他のカードも独自色が強いので、本当に作者は自分のタロット作成を志したのではないか、と思います。
でも、絵がなあ...人形みたいなんですよねえ...

2007/10/14
Tarot of the ELVES」の「II」
女教皇を殺してしまっていますね。
添付のリーフレットを見る限りでは、本を読んだ方が良さそうです。
全体にストーリーがあるようですから。
私は、まだリーフレットすらまともに読んでいないので、あれですが。
占い用ではないのかもしれないなあ、と思ったりもしています。

2007/10/21
「TARO'CCHI DEL CINEMA」の「10-LA RUOTA」
自活するようになって、最初に買った映画が「風の谷のナウシカ」と「2001年宇宙の旅」でした。
両親がさほど映画に興味がなく、映画の面白さを教えてもらったのは大学に入ってから。
2001年になっても、HALは出来ませんでしたね...
このカードで運命の輪になぞらえているのは宇宙ステーションです。
映画本編では、このシーンの前に、モノリスに触れて知恵を身につけた猿人たちが殺し合いを始めます。
知恵とは、本来は獅子を素手で手なづける「力」だと思いたいです。

2007/10/28
「knapp-Hall Tarot」の「1 LE BATELEUR」
帽子の形がメビウスの輪で、左手にヘルメスの杖を持っています。
「魔術師」のカードをギリシャ神話のヘルメスと見なすことは多いようです。
で、ヘルメスは泥棒の神様でもあるわけで、マルセーユ系のタロットでは、つい「ああ、やっぱり口先三寸の詐欺師なんだ」と思っちゃうんですよ。
「詐欺師」や「泥棒」はともかくとして、大道芸人や露天商は、どうしても口が立たないといけません。
「商売」全般に言えることでもあり、ちょっと羨ましいカードです。

2007/11/04
「THE SORCERERS TAROT」の「XV THE DEVIL」
ギリシャ・ローマ神話に登場する「パン」ですね。
マルセーユ系やライダー・ウェイト版でも、「悪魔」は下半身が山羊の姿で描かれることが多いです。
山羊は昔から重要な家畜なはずですが、繁殖力が旺盛であることから「獣欲(性欲)」と結び付けられるようです。
山羊にとっては迷惑な話ですよね。
今回、このカードを取り上げたのは、「パンズ・ラビリンス」という映画を観たばかりだからです。
残酷なシーンが苦手な人には薦められませんが、多くの人に観てもらいたい、そして考えて欲しい映画です。
追記:「考えて欲しい」と書いたのは、戦争についてではありません。日本の文化風潮についてです。すごく内向きで子供化している気がします。私もヲタクなので、批判はできませんが、ちょっと待てよ?と思うことがあります。空想は、逃避とは違うとは思いますが、そこにだけ自分の存在を見出し、安住することの危険性は認識すべきでしょう。自戒を込めて。

2007/11/11
「CORTO MALTESE TAROT」の「ASSO DI BASTONI」
どうやら有名コミックの主人公とその物語を扱ったタロットのようです。
こういうものはあまり好みではありません。
でも、この水彩の画風が好きなんです。
ちょっと見難いですが、鴉らしい鳥と猫がいます。
港町って、猫が似合いますよね。
水夫も猫を抱いているとしっくり来る気がします。
元々、船倉の鼠対策のために猫を船に乗せたと言われています。
この絵は、決して港町風ではなく、どこかの街の通りか公園のベンチ、しかも景色は秋か冬のような感じですが、すごく雰囲気が気に入ったので。

2007/11/18
「CORTO MALTESE TAROT」の「COPPE 10」
ある調査で、家族にとって大切なことは、一緒に食事をすることだとの意見が最も多かったそうです。
記事の表題だけを見て、内容は読まなかったので、詳しいことを知りたい方は調べてみてください。
今日、このカードの絵を見た時、涙が出ました。
船乗りは、長い期間家を空けます。
だからこそ、家族と共に過ごす時間は大切にしたことでしょう。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の3作目、ラストシーンを思い出しました。

2007/11/25
「VIA TAROT THE PATH OF LIFE」の「0 The Fool」
何となく、ウロボロスの蛇のことを考えていて、ひょいと手に取ったのがこのデッキでした。
ヘルメスの杖を片手に持った愚者はバラ(解説書によるとバラだそうです)を頭上に掲げ、歓喜の表情を浮かべていますが、凶暴そうな顔の犬が後ろから跳びかからんばかりです。
ちょっと見た感じでは、彼自身が生命の木の象徴に見えます。
やっぱり、難しいデッキです。

2007/12/02
「RIDER WAITE TAROT」の「Pentacle V」
現在、風邪引き状態です。
本当は、風邪のカードは剣だと思うんですが、ライダー・ウェイト版で「風邪」というと、このカードを思い浮かべてしまいます。
貧しく病んだ2人は、ステンドグラスの方を見ようともしていません。
あの向こうには暖かい場所があるのかもしれませんが、彼らには無関係だということでしょうか。
辛いカードです。

2007/12/09
「LO SCARABEO TAROT」の「0 THE FOOL」
このデッキ、全体的にはライダー・ウェイト版なんですが、ちょこちょこと違ってます。
この愚者は、目を閉じてるんです。
で、左手には炎の入った杯を持っています。
背後の出口から出てきたところのように見えます。
足元は雲の上のよう。

いくつものタロットを出しているLO SCARABEO社のフラッグシップデッキともいうべきデッキらしいです。
割とおとなしい印象を私は受けました。

2007/12/16
「藤森緑のLet'sタロット」の「XV THE DEVIL」
タロット占いができるようになるというゲームソフトの付録のカードです。
実際にカードを使いながら、学ぶようです。

鎖に繋がれている男女が、安らいだ顔つきをしているんですね。
ああ、そうなんだよな、と思いました。
誘惑に身を任せることは、とても楽なんです。
思考を手放し、自分が被害者になることも、実は楽を求める脳の作用なようです。
そうすることで、自分の意識を守ろうとするんですね。
でも、実際には間違った守り方なんですけど。
目先の快楽だけを求めることは楽なんです。
そこから逃げ出すことはとても大変です。その方が辛い。
自分で何も考えなくなると、脳が萎縮するという説もあるそうです。
自分で考え、判断する習慣が大切だと思っています。
できてませんけど。

2007/12/23
「Whimsical Tarot」の「Five of Swords」
ハメルンの笛吹き男ですね。
この童話は、もちろん、笛吹き男に払うお金をしぶったばかりに子供たちを失うという町の人の愚かさを戒めるわけですが、色々と謎があるようです。
ネズミはペストの象徴だそうで、実際に起きた何かの事件を含んでいるとする説も多いらしいです。

昔読んだあるマンガで、子供たちをさらうのは未来から来た人身売買の一団で、彼らは自分達の時代の子供のいない夫婦に子供たちを斡旋していました。
彼らに言わせれば、貧しい時代に暮らすよりも未来世界で養子になった方が幸せだということでした。
最近、似たような事件記事を読みました。
まあ、一味の言うことは結局屁理屈に過ぎないわけですが。
とりあえず、幸せは他人が決めることではないように思います。

2007/12/30
「Aleister Crowley Thoth Tarot」の「Ace of Swords」
より混迷化し、より世界大戦に近づいた年だったなあ、と思います。
このカードは、分厚い雲を貫くエネルギーを象徴しているように見えます。
そのエネルギーが吉と出るか凶と出るか。
破壊と創造は表裏一体と言います。
今は破壊の時期なのでしょうか?